「早くから神童と呼ばれ、いやらしくも巧みに自分を演出、見事名門中学に入学した無敵秀才少年は、なぜ突然引きこもり、望遠鏡で街を眺め、成人の日にテレビで夢を語る同級生を、部屋で見つめることになったのか。「なんにも取りえがない人間が、ただ生きていても、責められへん社会、が正常です」と優しく語るお笑い芸人が、文才をスパークさせ綴る挫折と再生の半生。七転び八起き、人生はやり直せる!日本一笑えて泣ける生き方指南」そのエッセンスを紹介しよう。
・長距離通学の負担、友達との経済的格差、 それを埋めるための猛勉強、睡眠不足、 それらのことが積もりに積もって、 ボディブローのように僕の心にダメージを与えていたのだろう。 そして「ああいうことになった」。
・小学校6年生にして、早くも人生の頂点、「黄金期」 を迎えていた。今思えば完全に、人生の「ペース配分」 を間違えた。マラソン選手なら完全に調整ミス。 オリンピックの半年前に体調のピークを持ってきてしまった…… そんな感じだ。 この栄華が未来永劫続くと思って毎日を過ごしていた。
・僕はお金と気力が尽きた。 どれくらいお金がなかったかというと、 同じアパートの一室に住んでいた大家さんが、 遊びにきた孫が置いていったザリガニを飼っていたのだが、 それを炊飯器で茹でて食べたくらいだ。
・まとめると、毎月最低5〜8万円もあれば、 僕はとりあえず生活できたのである。食べたいものも食べず、 電車にも乗らず、風呂にも入らず、服も買わず、ただ暮らす。 はたしてそれを「生活」と呼べるのか分からないが。 ちなみに日雇い労働では大体一日1万円くらいは稼げるので、 毎月5〜8日バイトすれば十二分に足りる。つまり週に1, 2回バイトすればいい話なのである。授業は週に、2, 3回だったからそれでも休みの日が週に2日以上はある計算だ。 それすらもできない。駄目人間である。 とにかく僕は働きたくなかった。「働いたら負けだ」 とさえ思っていた。一体、何と戦っているのか分からないし、 そもそも負けている。
・お笑い芸人ですぐに売れると思っていた。何の根拠もなく。 それくらいの華々しい好スタートを切らないと、割に合わない。 帳尻が合わない。せっかく入った大学もやめ、 誰にも言わずに失踪同然で状況し、お笑い芸人を目指したのだ。 なのに、アルバイトに精を出し、 日々の屈辱に耐えるなんて無理だ。あれだけ悩まされた「神童感」 の名残がまた微妙にカタチを変えて、僕を再びむ苛み始めていた。
「中学受験に合格」→「中学校で留年」→「引きこもる」→「 苦し紛れに高校受験するも、不合格」→「5年間、 20歳まで引きこもる」→「大検取得」→「大学合格」→「 2年足らずで失踪」→「失踪」→「芸人として、 下積み生活始まる」→「借金で首回らなくなる」→「債務整理」→ 「やっと一回売れる!!」……そして「今」である。 こんなに嫌なますが多いスゴロクも珍しい。「サイコロ」 の方もおかしい。こんなに出目に偏りがあって良いのだろうか? ここ数年に至っては、サイコロ自体紛失した。一向に、 次のマスに進めない。
「引きこもりの朝」「神童の季節」「地獄の通学路」「 引きこもり時代」「大学での日々」「下積みからの脱却」「 三畳八千円、風呂なし、念仏あり」「引きこもり、親になる」など。
なーるほど!わかるなあ……こんなことがキッカケでヒキコモリになったりするだろうなあ…。超オススメです!(・∀・)