お笑い芸人のいわゆる一発屋。一発屋でも一度でも売れたってことはスゴいよね〜!♪(笑)
さてこの本。「髭男爵」の山田ルイ53世。なかなかの文章力だね。読ませるね〜!♪
「一発屋は、人生のしおり、記憶のポストイット。入学、卒業、結婚、出産といった人生の節目の場面には、「そういえば、あの頃はあの芸人のギャグが流行っていたなー……」と必ず僕達の姿があります。この本もそうなれば幸いです」そのエッセンスを紹介しよう。
・一発屋の朝は早い。我々の職場が、都内のスタジオ、 つまりテレビ局にはないからである。そこは売れっ子の皆様で、 すでに満席。結果、一発屋が向かうのは、 東京から遠く離れた地点となる。俗に言う「地方営業」 というやつだが、自然、起床時間も早くなる。 朝4時置きなどという日もある。地方で「もっと、 テレビにいっぱい出てる人い来て欲しかったなー」 少し考えれば分かること。毎日テレビで見るような人は「 毎日テレビ局にいる」のだ。あなたの町には来ない。 少なくとも売れっ子は、あなたがいつも買い物をするお店で、 フランスパンを配ったりはしない。
・「たくさんサインは書くが、ファンの姿は見掛けない! これなーんだ?」「……一発屋!」
・「ちょっと、ちょっとー!!」「無理無理無理!!」「 やめろー!!やめてくれー!!!」芸人たちが悲鳴を上げ、 のたうち回っている。しかし、その拒絶の台詞とは裏腹に、 どこか楽しそう。実際……喜んでいる。お笑い芸人い限らず、 大抵の芸能人は「不都合な展開」「追い詰められた状況」「不幸」 「災難」が大好物だ。それはつまり「面白かった」「 自分の仕事を完遂できた!」という証。すこぶる気分が良い。 飯の種…文字通り「おいしい」というヤツである。おいしい、 それは偉大な先人達が発明し脈々と受け継がれてきた「脳内味覚」 である。
・お笑い業界では「発明」がなければ売れない。そこに、 何か新しいこと、誰も思いつかなかったこと、 誰もやれなかったことがなけれが一発さえ覚束ない。 コスプレをして目立つだけで売れるのなら、 サッカーの日本代表戦やハロウィンの時期に渋谷のスクランブル交 差点にいる連中や、学園祭ではしゃぐ大学生は皆スターになれる。 変な格好をしただけで評価されるよな甘い世界ではないのだ。
その他、「ゴミに サインを書いた日 」「マスクで「芸能人きどり」」「自らの不健康を祈る仕事」「 地方でもてはやされ 東京であしらわれ」「シルクハットを脱ぐタイミング」「 芸人泣かせの「食リポ」の舞台裏」「「世界観芸人」との格差」「 負け人生を差し出すということ」など。
お笑い芸人、なかでも一発屋ってけっこう苦労しているんだね。オススメです!(・∀・)♪