先日、ダイエー、ロッテ、オリックスで球団代表をつとめた瀬戸山隆三さん話を聞く機会があった。この本には書けない裏話がいっっぱいで野球ファンにはタマラない内容だった。今、隆盛のパ・リーグ、そしてソフトバンクホークスのベースを作ったのは瀬戸山さんなのだ!
その瀬戸山さんの挑戦の軌跡と、野球ビジネス論。チームと球団のためにさまざまな業務に従事する、背広組― 「フロント」の裏方力とは?そのエッセンスを紹介しましょう。
・ダイエー、ロッテ、オリックスー。私は約30年にわたって、プロ野球のフロント人生を送ってきた。フロントには、常に泥をかぶる覚悟が必要だし、自己犠牲の精神が重要だと考えいている。30年間、私は何度もその役回りを果たしてきた。ときには周囲から誤解されることもあったが、それを引き受けることも含めて、フロントの役割だと思う。私は「プロ野球とは『複合ビジネス』である」と捉えている。スポーツビジネスのみならず、裏方として主役を誠実に支えている人たちにとって参考になれば幸いである。
・福岡の人たちの反発は強かった。それまで長らく西鉄ライオンズの本拠地であった平和台球場に、かつての南海ホークスのエース・杉浦が率いるチームが乗り込んでくる。黄金期の西鉄の鉄腕「神様、仏様、稲尾様」で知られる通算276勝の稲尾和久の宿敵だったではないかー。そんな感情を抱かれたのだろう。そして何より、地元経済界には当時全国各地に出店を続けていたダイエー・中内功社長に対する警戒心が根強かった。
・「Jリーグがスタートしてプロ野球の人気が落ちている。このままでは、Jリーグに抜かれる。この流れを変えるには、20世紀のうちにON対決をやるしかない。長嶋が巨人で監督をやっている間に、ワンちゃんにうちに来てほしい。中内さんはそのために福岡ドームをつくったんだ。巨人と日本シリーズをやって、ON対決をしてくれ。そうしたら、野球界はまた盛り上がる。ワンちゃんしかいないんだ。ワンちゃんが、いいと思うチームをつくってくれたらいい。何でも協力する。金はいくら使ってもいい。監督になるのは俺のすぐ後でもいいし、3年後でもいいかから」
・「ワンちゃんもや野球人だ。ユニフォームを着たくないわけじゃない。巨人の長男は長嶋なんだから、ワンちゃんは長男にはなれない。どこかで長男になる術をつくってやらないといかんのだ。そういう話を何度でも繰り返せ。あとは世間話でもいい。とにかく、しつこく行け」
・2000年、2年連続の優勝で「ON対決」がついに実現。根本さんの言葉にギリギリ間に合った、その当の根本さんが、もうこの世にいないことが返す返すも残念だった。
・坂井保之さん「いいか。選手が大輪の花を咲かすために、われわれフロントは地中に根を張って、地中で仕事をするんだよ。チームを強くするためには、あるときは選手に厳しく接し、あるときは選手の盾となって彼らを守る。人間的にも技術的にも選手を成長させるのが、われわれの役割なんだ」
「根本陸夫さんとの出会い」「ふるさと球団として地域に根づく」「バレンタイン監督との確執」 など。
いや〜フロントって大変だね〜。華々しいプロ野球界の中でこの裏方力!ビジネスでも参考になります。オススメです。(╹◡╹)