ワタシが小学生の頃のパ・リーグは、まだ「阪急ブレーブス」「近鉄バファローズ」「太平洋クラブライオンズ」「ロッテオリオンズ」「日拓ホームフライヤーズ」「南海ホークス」だった。ありゃ!?今、書いて思ったけど、全部、消滅しているか、名前変わってるじゃん!(笑)(・o・)!
なかでも印象的だったのが「南海ホークス」。そして野村克也とクリーンナップを打った門田博光。1メートル70センチという短身で、歴代3位の567本塁打!彼の野球人生を知りたくて3冊同時に読みました。そのエッセンスを紹介しよう。
・ご主人の名は、ホークスの四番バッターだった門田博光。不惑にしてあのミスター・ジャイアンツ・長嶋茂雄巨人軍新監督のホームラン記録を抜き去った男である。身長170センチ、体重82キロ、プロでは非常に小柄だ。自分より背の低い人は、元阪急の福本選手ともとヤクルトの若松選手しかいない。相撲界で言えば、あの舞の海よりも小さいのだ。そんな体で34.5インチ、1キロのワシ(バット)をブンブン振り回し、ホームランを豪快にかっ飛ばしてくれるのだから、身内としてもほれぼれしたものだ。
・「バットスイングをシャープに速く振り抜くしかない」これが結論だった。大きな選手と小さな選手では生まれながらの体力の差がある。腰を強化、筋肉トレも激しさを増した。それが今役に立っている。バットヘッドのスピードでは誰にも負けない、とまで自身が出来ていた。背筋、腹筋、手首の強さ・柔軟さもトップレベルにある。
・私は強振をやめなかった。とにかっくスタンドに打ちこんで、ゆっくりベースをまわってホームに還りたいと、いつも考えていた。いつも数千人のお客さんの眼をひきつけ、そのとき、時間が止まるような瞬間に快感があった。だから、とにかく打球に距離がほしかった。「ヒットの延長がホームラン」私は、そうは思わない。若い頃からずっとひたすらホームランに憧れ、ホームランを打つスイング、ホームランを打つための打法にこだわってきた。ヒットなら苦しまなくても打てると、いまでも思っている。ホームランといえば、完璧の中でも完璧のものの積み重ねせでないと打てないものだ。
・スタンスも思い切り広く取っていた。実際やってみたら分かるのだが、あんなに広くスタンスを取っていたら、打てるものではない。腰が回りきらないのだ。それだけご主人の体は鍛え上げられていた。それでも空振りするとこたえた。思わず吐き気がするほど。なんせ腸がねじ切れるほどのスイングなのだ。空振り後タイムを取り、バッターボックスを外して痛みが収まるのを待つこともしばしばあった。まるで麻酔をせずに手術をしてもらっているような感じといえば分かってもらえるだろうか。痛みは引いてもねじれた胃や腸やが元の状態に納まっているかどうか、食事をするまで心配になる。
・おかしなもので、おなかに肉がついても野球はできる。野球選手は、おなかが出てくると批判的なことをいわれるが、野球にはそれほど支障はない。早い話、力士に野球をやらせると、うまい。お腹が出ていても実にうまくこなす。ところが、柔道の選手はうまくない。バットを持たせてもぎこちない。頑丈な体はしているが、野球選手とは違う筋肉がついているのだと思う。
・オフは趣味に徹底的に凝る。やりだしたらとこと突き止めないと気が済まない性分だから。例えば陶芸。家の庭に作業小屋を造り、ろくろを回すほど。挙句の果て、のぼり釜を造ろうとしたが果たせず、遠退いた。デッサンも好きだ。プロはだしの腕を持っており、花、風景などを太い線で大胆に本質をえぐり取るようにズバッと、かつ繊細に描く。そんな多彩なご主人様も、こと野球に関しては目的を一つに定め頑張ってきた。そう「ボールを誰よりも遠くへ飛ばす」これ一筋に。
スゴいなあ……門田のホームランって美しいもんね。このフォーム、美しい!こういう昭和の職人芸の選手ってかっこいいよね〜!野球ファン必読です。オススメです。(・∀・)♪