「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「受け月」(伊集院静)

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受け月 (講談社文庫)

受け月 (講談社文庫)

 

プロ野球ペナントレースが始まったね。楽しいね。また一喜一憂の年が始まったね。(・∀・)♪

さて、この本。野球好きの作家といえば伊集院静氏。短編の名手のワザが冴える直木賞受賞作

「永年率いた社会人野球の名門チームからの引退を、自ら育てた後輩に告げられた老監督、亡くなった夫の好きだった野球を始めた息子がベンチで試合を見つめる姿に複雑な思いを抱く若い母親、母と自分を捨てて家を出た父親との再会を躊躇(ためら)う男……。誰にも訪れる切ない瞬間によぎる思いを描いた、直木賞受賞作」そのエッセンスを紹介しよう。



・「俺は野球というゲームを考え出したのは人間じゃなくて、人間の中にいる神様のような気がするんだ。いろんな野球があるものな。おまえにもそのことをわかって欲しいんだ。自分だけのために野球をするなよ



・「野球はもういいですよって、私が言ったら『そうだろう、つまんない野球はもうやめろ。神様がこしらえた野球をやろうや』と言って笑って言われました」


・「何より楽しかったのは先輩たちとやった草野球でした。自分はもし先輩に逢うことがなかったら、もっとつまらない野球をした男で終わっていたでしょう。そんな野球と出逢えてから、この町がひどく好きになったんです」


「どんなスポーツの世界だって、チャンプになろうと思えば、実力だけじゃ駄目だな。やっぱり運がなけりゃね」マスターが言った。
「運があってもむずかしい時もありますよ」「運以外に必要なものって?」「生まれ持った星かな、のぼって行く奴は、初めっからきらきらしているんです。そいつがそこにいるだけで、なんかこう明るくなるような……」


・四条の橋を渡る時に月が東に浮かんでいたんです。そうしたらその芸妓さんが急に、いやあ受け月どすわ、と言われて、立ち止まって手を合わせたんです。私とさやかがどうしてお祈りをしているのと聞きましたら、受け月に願い事をすると、願い事がこぼれないで叶うって言ってくれたんです。私とさやかも手を合わせてお祈りしたんです。その時私、あなたもこんなふうに月をごらんになりながら、家まで歩いて帰られたんだと思ったんです。朝の冷たい空気の感じって、ほんとによろしいもんですね。

 

やっぱり野球っていいね。長嶋茂雄さんじゃないけど人生そのものだよね。野球ファン必読!オススメです!(・∀・)

 

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受け月 (講談社文庫)

受け月 (講談社文庫)