「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「流しの仕事術」(パリなかやま)

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流しの仕事術

流しの仕事術

  • 作者:パリなかやま
  • 出版社/メーカー: 代官山ブックス
  • 発売日: 2014/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

ワタシが初めて大勢の人の前で歌ったのが15歳のとき、40年前。いわゆる「流し」のような即興の弾き語りはいつの間にかできるようになっていた。「酒場のギター弾き」と名乗るようになって数十年、数えきれないところで、あらゆるところで歌っているが、あるときテレビで「流し」の「恵比寿横丁 新世代流し パリなかやま」さんを観てワタシのような人がいるんだ〜!と驚いたっ!

 

「流しってどんな仕事をしているの?」「どうやってお金を稼いでいるの?」「縄張りとかってあるの?」「ぶっちゃけ食べていけるの?」「独特のルールとかあるの?」現代を生きる流し・パリなかやまの日常とその仕事術に迫った。そこから見えてきたものは?――「自分の特技で人を喜ばせ、メシを食う」というシンプルな生き方だった。そのエッセンスを紹介しよう。

 

「流しとは?ギターなどの楽器を持って酒場をまわり、客の要望に応えて歌の伴奏をしさらに自らも 歌う者のことである」


・本書はいわば「流しを実践するためのマニュアル本」である。流しを実践する(特技を売る)のは、じつはそんない難しいことではない。

1 売る物(特技)を決める
2 流す場所を見つけて、責任者と交渉する
3 流しのポイントを押さえる(予習する)
4 流しの実践する(現場に出る)
5 トライ&エラーを繰り返す

たったこれだけのことである。「もっと稼ぎたい!」「副業したい!」と考えている方がいたら、ぜひ「超実践書」として参考にしていただきたい。


流し歌手の肉体的負担はどこにあるか?それは喉にある。楽器の弾きすぎによる肩こり腱鞘炎もあるが、マイクのない中で延々歌い続けるために使う声帯が最大の特務を背負う。流し歌手の肉体とは、声を枯らさず、声帯を壊さず、翌日に影響を残さず、深夜まで喧騒の中で何時間も歌えるーそんな喉を持つ肉体である。


エディット・ピアフは毎日街灯で歌い、ビートルズは十代の頃に一日8時間も演奏する箱バン契約をして暮らし、スティービー・ワンダーは路上で唇から血を流しながらハーモニカを吹いていたという。日本でも、大御所のあの人もこの人も、まるでプロの登竜門というくらいの酒場の流し歌手を経ている。このような圧倒的な分量の経験を私は経てきていなかった。一言で言えば「下積み」だが、ある道に精進する者にとって、日々本番をこなせる環境は間違いなく貴重だ。


・最初に流した亀戸の酒場で、私は手厳しいかわいがりを受けつつ喜ばれ、受入れられた。それまで弾き語りをほとんどやっておらず私は未熟だったとと思う。それでも、人々は生演奏を歓迎してくれた。このように人に直接喜んでもらうことはとても新鮮だったしかも、知らない人たちに。


・私は、自分が流しをなじめてから、日本中にかつてこの「流し」の商売が無数にあったことを知った。現在は管理、効率化が進んだ社会だから、このようなやり方は廃れてしまったのだろう。流しが溢れる街の風景はどんなふうだったんだろう。私は、音楽家や芸人が巷に溢れいてるほうが、きっと世の中は楽しいと思う。

 

ワタシは不定期にいろんなところで歌っています。どこかでお会いしましょう!♪ オススメです。♪(・∀・)♪

 

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流しの仕事術

流しの仕事術

  • 作者:パリなかやま
  • 出版社/メーカー: 代官山ブックス
  • 発売日: 2014/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)