「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「本を贈る」(三輪舎)

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本を贈る

本を贈る

 

 子どもの頃、最寄りの駅にある本屋さんは遊び場だった。そして自分の世界が広がる宇宙だった。

文房具も売っているちいさな店だったが、新刊書や雑誌、暇さえあればそこへ行き、子どもの知的好奇心を満たしたものだ。それが今の「活字中毒」のベースとなっているのかもしれない。

 

さてこの本。批評家、編集者、装丁家、校正者、印刷、製本、書店員など本に関わる10名の方の本についてのエッセイ集。

「本は工業的に生産され、消費されている。本は確かに商品だが、宛先のある「贈りもの」でもある。「贈る」ように本をつくり、本を届ける10人それぞれの手による珠玉の小論集」そのエッセンスを紹介しよう。



本というものは重い。物質的にも、内容的にも。
かんたんに一言では表せないものだ。
著者だって、なにを書いているかわからなくなるときがあるのだ。
でも、一冊の本になることによって、なにか一つの表現が完結する
だから、本ができあがったときは、僕はいつも不思議な気持ちがする。
感動というのではなく、命がひとつ誕生したように思う。(編集者 島田潤一郎)

 


人間はいったいなんのために本を作り続けるのか
それは、ずっとぼくのなかでくすぶってきた、根源的な問いだった。
ちいさくて、ゆっくりでもいい。他人の本をデザインして終わりではなく、
自分で本をつくり、届けるところまでやってみたい。(装丁家 矢萩多聞)

 

・書店を訪れたお客さん。店内を散策し、本や雑誌のいくつかを手に取り、パラパラとページをめくります。
何冊もまとめて買ってくださることもあれば、買わずに帰ることもある。ぼくはその痕跡から、
なぜこの本を買ってくれたのか、買ってくれなかったのかと問いをたてるのです。
何冊も買ってくれたときは、その数冊の組み合わせからお客さんが心に抱く好奇心や願望、あるいは生活の様子を
リアルに想像する。いってみれば、ぼくはお客さんの残していった「痕跡」を通して、その心の中をそっと垣間見ているのです。(書店員 久禮亮太)

 

 気に入った本を誰かにプレゼントしたくなる本。オススメです。(・∀・)

 

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