少年マンガ大戦争―『少年画報』編集長金子一雄の築いた王国 (蒼ブックス)
ワタシが小学生低学年の頃、ウチではオヤジが少年マガジンを買ってくれていた。当時130円。「空手バカ一代」「天才バカボン」「野球狂の詩」「男おいどん」「デビルマン」「ひとりぼっちのリン」「おれは鉄兵」「うしろの百太郎」「あしたのジョー」「バイオレンス・ジャック」「釣りキチ三平」など、マガジン全盛期だった。
で、その頃、廃刊になったのが「少年画報」。ギリギリ、兄が読んでいたのを借りて読んだ記憶がある。(・∀・)
さてこの本。「昭和30年代に「赤銅鈴之助」「ビリーパック」「まぼろし探偵」等の大人気漫画を連載し、『少年画報』の黄金時代を築き上げた名編集長・金子一雄の活躍とともに、少年漫画の歴史を振り返る」そのエッセンスを紹介しよう。
・金子一雄が作り、育てあげた『少年画報』(80万部突破)、そして、そこから生まれた『少年キング』。『少年画報』の休刊は、それまで子どもに夢を与え、正義とは何か、悪とは何かお問うた勧善懲悪の終焉であり、児童マンガの断末魔であったし、『少年キング』の休刊は、男の子、つまり少年マンガは男の子が読むものという一つのくくりの中での最後を看取ったような思いがする。
『少年画報』が休刊した昭和46年、週刊少年マンガ誌は大学生、サラリーマンが手にし、『少年キング』が休刊した57年、その週間少年マンガ誌はいつの間にか女の子、女性読者も手にするまでになっていた。
その他、「『冒険活劇文庫』創刊、絵物語時代到来」「天才・桑田次郎現わる」「『冒険活劇文庫』から『少年画報』へ」「福井英一という存在」「梶原一騎、懸賞小説でデビュー」「『赤胴鈴之助』連載。そして“勧善懲悪”」「名古屋に“鬼才”河島光広あり(『快男児ビリーパック』)」「悪書追放運動、マンガバッシング」「『月光仮面』をはじめ、“正義の味方”続々登場」「森田拳次、ギャグマンガ家としてデビュー」「ライバル誌『少年』の台頭とふろく合戦」「週間『少年キング』創刊」「水島新司・爆笑シリーズ」「月刊マンガ誌vs 週刊マンガ誌」「“五大週刊マンガ誌時代”に突入」「日野日出志『ショッキングワールド』」「70年代に空前絶後の“劇画”ブーム到来」など。
まさに少年マンガ史だね。マンガ家になりたかった頃を思いだすなあ……。オススメです。