「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡」(斎藤貴男)

 


『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡 (朝日文庫)


マンガが大好きだったワタシが全巻揃えたあしたのジョー』『タイガーマスク』『巨人の星みな、梶原一騎氏の原作だ。そういう人多いんじゃないかな!?(・∀・)


「現在でも多くの人の心をつかみ、年齢を問わずリスペクトされ続ける名作コミックの原作者・梶原一騎。数多くの作品で読者の心をつかんだ天才は、しかしその栄光の裏で影も引きずっていた。2017年1月に没後30年となる、人間・梶原一騎の光と影に鋭く迫る、 傑作ノンフィクション」そのエッセンスを紹介しよう。


『少年ジャンプ』初代編集長・長野規(ただす)「わが国漫画史上において、梶原一騎手塚治虫にも匹敵する存在でした。その生き方や創作者としてのあり方は大きく異なっていたけれども、読者や次の世代の漫画家に与えた影響力の点で、むしろ梶原さんは手塚さんに優るとも劣らなかったとさえ言えるかもしれない」


巨人の星主人公の星飛雄馬なる命名は梶原自身が苦心の末創り出したが、少年マガジン案の「星明」とする案(「明けの明星」のイメージから)にほぼまとまりかけていたが。雄馬=ヒューマンというのは、彼がその後も漫画原作をやっていく上での精神的支柱にしようとしていたんじゃないか。


真樹日佐夫「空手だのプロレスだの、兄貴はいろんな格闘技を書いたし、また関わってもいたけど、子供の頃から、心底好きだたのはボクシングだけだよ。他のは物書きになってから、作家的感性で近づいていったんだ。」


『明日の恋人』掲載誌『チャンピオン』編集長だった成田清美は作中の天地真理に惚れ込み、連載中に生まれた長女に「真理」と名づけた。また本名を斎藤真理といった女性歌手の芸名も、この作品から取られた。『朝日の恋人』のヒロインは、それだけインパクトの大きい、清純イメージの徹底したキャラクターだったということである。


・梶原の変貌ぶりには、単に成り上がり者らしい傲慢、無粋などという言葉だけでは説明しきれないものがあったと言われる。才能の枯渇や時代相の変化への恐怖、自分の金や地位を利用しようと近寄ってくる者たちへの軽蔑や警戒。一度でも「星」になった人間でなければ永久にわからない、さまざまな要素がないまぜになっていたことは間違いないが、加えてもう一つ、決定的な出来事があった。後に復縁することになる、高森篤子との離婚である。


久しぶりに「一騎」に読み返したくなりました。特に「男の星座」はケッサクだったね。未完で終わったのが残念。超オススメです。(・∀・)


 


『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡 (朝日文庫)