「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本人の「地獄と極楽」死者の書『往生要集』の世界」(大角修)

 


日本人の「地獄と極楽」 死者の書『往生要集』の世界 PHP文庫


このブログで以前、紹介している「往生要集」の世界。


「往生要集を読む」(中村元
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20170802


スゴいよねえ……実際に地獄と天国を見たことある人じゃないとこの描写はできないよねえ……。(・_・;)!


人は死んだらどうなる? 生前に罪を犯した者は? 生まれ変わることはできる?こうした問いに、日本人なら誰でもイメージしてしまう死後の世界――“地獄と極楽”。その源流となったのが、比叡山の僧・源信が著し、末法思想に恐怖した平安の貴族社会を通じて“浄土信仰”を広めた『往生要集』で。そこには、死後に“転生”するという世界と、極楽浄土に行くための方法が詳しく書かれ、なかでも地獄のダイナミックで迫力ある描写で有名である。その壮大な生死流転の世界観を図解とともに解説。日本人に連綿と受け継がれた「死のガイドブック」から、より良き生とは何かを学ぶ」そのエッセンスを紹介しよう。



・1 等活地獄=殺生の罪を犯したもの


・2 黒縄(こくじょう)地獄=盗みを働いたもの、受ける苦痛は等活地獄の10倍。人間世界の時間で約13兆年間


・3 衆合(しゅごう)地獄=淫らな行いをしたもの。刑期100兆年。


  悪見処(あっけんじょ)=子供に性交渉を迫ったもの
  多苦悩処(たくのうじょ)=男色行為に溺れたもの
  忍苦処(にんくしょ)=他人の妻や恋人を寝取ったもの


・4 叫喚(きょうかん)地獄=酒に溺れたもの。刑期852兆6400年
  殺殺処=女性に酒を飲ませ、前後不覚になったすきに強引に関係をもった男が堕ちる


・5 大叫喚地獄=ウソをついたことのあるもの。刑期は叫喚地獄の約8倍の6821兆1200億年


・6 焦熱地獄=ほかの地獄の炎が霜か雪に思えるほどの熱さで、これまでの罪に加え、仏の教えや、因果の道理を否定したものが堕ちてくる


・7 大焦熱地獄=これまでの6つの罪に加え、尼さんを強姦したもの。これまでの地獄すべての苦しみを足して10倍にしたもの


・8 阿鼻地獄(無間地獄)=ここまでの7つの罪に加え、親や聖者を殺すといった極めて重い罪を犯したもの。死んでから地底に向かって真っ逆さまに2000年間落ち続け、ようやく到着するという果てしなさ。ほかの地獄の苦しみをすべて合わせたものの1000倍にもなる。そのためこの地獄の罪人からすれば大焦熱地獄でさえ天界に見え、うらやましく思えるほど。


知っておきたい極楽浄土の10の楽


1 衆生来迎(しゅじょうらいごう)の楽


臨終にあたって大いなる喜びがおのずから湧いてくる。その時、阿弥陀仏と諸菩薩が迎えに来てくれて、声をそろえてほめたたえ、
手を貸してくれて極楽へと連れて行ってくる


2 蓮華初開の楽


蓮の花が開いた時、すなわち極楽浄土に生まれ変わった時の喜びは、盲者が初めてこの世の光に接することができた時の喜びや、片田舎で暮らしていた男が初めて王宮に足を踏み入れた感慨にたとえられる


3 身相神通(しんそうじんずう)の楽


極楽浄土ではみな体が金色に輝き、仏のような姿になる。さらに神通力が備わり、遠い世界まで一瞬に行くことができるし、過去に自分がいた六道のいずれかの世界も心のままに見ることができる。


4 五妙境界(ごみょうきょうがい)の楽


極楽浄土は色、声、香、味、触の5つすべてが美しく清らかな世界。大地は瑠璃できていて、金の縄をもって境界としている。講堂、精舎、宮殿、楼閣の左右には浴(ゆあみ)ができる多くの池がある。


5 快楽無退(けらくむたい)の楽


喜びが尽きないという喜びがある。極楽浄土は理想と現実が一致している。


6 引接結縁(いんじょうけちえん)の楽


極楽浄土の住人になれあば親となり子となり縁のあった人々を浄土に連れてくることができる。


7 聖衆倶会(しょうじゅうくえ)の楽


極楽浄土には地蔵菩薩観音菩薩弥勒菩薩などさまざまな諸菩薩が仏とともにいる。徳高い僧たちもたくさんおり、これらの聖衆と一堂に会する栄誉がある。


8 見仏聞法(けんぶつもんぽう)の楽


この世で仏に見(まみ)えることは難しいが、極楽浄土の住人はつねに阿弥陀仏に見え、たとえようもない深い教えを聞いている。さらに仏のみならず水鳥や樹林もことごとく尊い教えを説き、聞かんとするところはおのずから聞きうる。


9 随心供仏(ずいしんくぶつ)の楽


極楽浄土の住人は毎朝早朝に花かごに美しい花を盛り、阿弥陀仏を供養し奉る。仏さまの許しがあれば、他方の十万億の仏たちのもとへ飛び、供養しに行くこともできる。そして正午には帰って食事をし、散策をして経をとなえる。


10 増進仏道の楽


極楽浄土の住人は仏道を推し進めてやまず、挫折して退くことがない。なぜなら仏による慈悲の力がつねに菩提心(悟りを求める心)を増幅させてくれるからだ。寿命も仏とおなじく永劫にあるから、時間がないという心配もない。


……ああ……地獄に行きたくない……極楽浄土へ行きたい……。身を正しました。超オススメです。(・∀・)


日本人の「地獄と極楽」 死者の書『往生要集』の世界 PHP文庫