「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「不屈の棋士」(大川慎太郎)

 


不屈の棋士 (講談社現代新書)


将棋が好きである。将棋の棋士を尊敬している。今度生まれ変わるなら棋士になりたいと思っている、くらい好きである。(・∀・)


さて、この本。「羽生善治は将棋ソフトより強いのか。渡辺明はなぜ叡王戦に出ないのか。最強集団・将棋連盟を揺るがせた「衝撃」の出来事、電王戦でポナンザに屈した棋士の「告白」とは。気鋭の観戦記者が、「将棋指し」11人にロングインタビューを敢行。ここまで棋士たちが本音を明かしたことはなかった!プロとしての覚悟と意地、将来の不安と葛藤……。現状に強い危機感を抱き、未来を真剣に模索する棋士たちの「実像」に迫った、渾身の証言集」そのエッセンスを紹介しよう。


約1000年もの間、日本人に親しまれてきた将棋。400年の歴史を有するプロ制度。由緒ある誇り高き天才集団は、このまま将棋ソフトという新参者に屈してしまうのか。劣勢に立たされた彼らはいま、何を考え、どう対処し、どんな未来を描いているのか。さあ、実際に声を聞いてみよう。


羽生善治「やったことがないからわからない」というのが率直なところです。いろいろ自分で試して決めることになるでしょう。


渡辺明 将棋の面でトクになるとは思えません。人間の勝負とはまったく別物ですから。トップ棋士同士とはいえ、やはり人間の将棋はミスありきなんです。でもコンピュータ将棋はミスがないから、事前にソフトの弱点を探る練習が大事になる。


勝又清和「ソフトと戦っても勝てない、と予想しています。トップ棋士とソフトが戦う時期を逸してしまった感はありますよね。2013〜14年くらいにきちんとスポンサーをつけてやっておきたかった。その頃なら羽生さんは勝ったかなあ。一回勝ったうえで負けるならいいんだけど、出場していきなり負けるのは見たくない」


西尾明 (トップ棋士とソフトの力関係は?)うーん、現状ですよね。ソフトが相当強いと思います。


千田翔太 「人間よりもソフトの方が強いというのは、「フラッドゲート」のレーティングから見ても明らかだったので。ソフトのレーティングが私よりはるかに高いのは間違いないですが、羽生先生のレーティングがわからないからです」


村山慈明 「(コンピュータ同士の対局に興味はありますか)もちろん見ますけど、おもしろくはないですね。相変わらず精度の高い将棋を指しているとは思いますが、真似したいものは一つもなかった」


森内俊之「プロ棋士としてやっている以上、少しでも内容を充実させたいと思いますが、人間は必ずどこかで間違える。それが現実です。将棋の世界に限らず、どんな世界でもミスをしない人はいないのです。そして人間は有限の時間の中で生きています。すべての前提が違う人間とコンピュータを比較することに大きな意味があるとは思えません


……個人的には、人間とソフトは比べるまでもないと思うけどなあ……。野球でいうと一流バッターとバッティングマシーンと戦っても意味がない……。しかし、考えさせられる本。オススメです。(・∀・)


 


不屈の棋士 (講談社現代新書)