この本はスゴい……。「事実は小説より奇なり」というがこんなことがあるのだろうか…あって良いのだろうか…。今年読んだ本のベスト10入りは間違いないっ!(・。・)!
「病院で取り違えなんて嘘だよね。私はお母さんの子だよね。小学校にあがる血液型検査で、出生時の取り違えがわかった二人の少女。他人としか思えない実の親との対面、そして交換。「お家に帰りたいよう。」子供たちの悲痛な叫び―。沖縄で実際に起こった赤ちゃんの取り違え事件。発覚時から、二人の少女が成人するまで、密着した著者が描く、家族の絆、十七年にわたる感動の物語」そのエッセンスを紹介しよう。
・今日の検査で、美津子ちゃんは私達夫婦の子供ではないのかも知れない。まさかそんな事は無いと思って居ても、手、足、私の体の血が全部ひいて行く様な気がし、その場へ座り込んでしまった。肘がガクガク振え、立てなくなってしまった。自分で何を喋っているのか、相手が何を話して居るのか、私には解らなかった・
・院長先生は、決定的な恐ろしい事を私達に告げた。交換されているのは間違いないでしょう。この言葉が私達をうちのめした……。地の底に体が沈んでゆく……。バカヤロー!!医者でも誰でもい。どんな偉い人でもいい。言葉に出してバカヤローと叫んでやりたかった。でも私は信じない。交換されているなんて。美津子ちゃんは私が産んだんだ。こんな事がこの世の中にあってたまるもんか。誰が何と言おうと、美津子は私の血を分けた子供なんだ……。なぐさめの言葉なんか聞きたくない!今日という日は、私の人生で一番のかなしい日だ。美津子ちゃんの寝顔をみつめ、一晩中泣き明かす。
・実施との対面がそれぞれに与えた影響は大きかった。たとえ血を分けた子供がいたとしても、6年間も育てた情を断ち切れるはずがないとタカをくくっていたのが、対面した瞬間から脆くも崩れ去ってしまった。似ている!それだけで激しく揺れ動いた。
生みの親と育ての親っていうけど、家族の絆について考えさせられる……。超オススメです。(・o・)!