「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」(二宮敦人)

    


最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常


いや〜この本はオモシロイ!ケッサクだ〜!今年ベスト3は間違いなしだね。(・∀・)!


入試倍率は東大の3倍!卒業後は行方不明多数!!「芸術界の東大」の型破りな日常。才能勝負の難関入試を突破した天才たちは、やはり只者ではなかった。口笛で合格した世界チャンプがいると思えば、ブラジャーを仮面に、ハートのニップレス姿で究極の美を追究する者あり。お隣の上野動物園からペンギンを釣り上げたという伝説の猛者は実在するのか?「芸術家の卵」たちの楽園に潜入、全学科を完全踏破した前人未到の探訪記」そのエッセンスを紹介しよう。


・「今、学校では何作ってるの?」「ノミ」「えって?……ノミって、虫の?」「道具のノミ」まずは彫刻を作るための道具を作るそうだ。


上野駅を背にして左側が美術学部=美校、右側が音楽学部=音校。その境界線に発ってみると、行きかう人の見た目が、左右で全然違うのだ。音校はみな姿勢が良く表情が明るく芸能人みたいなオーラを放っている。対して美校の学生たちは、自己表現の意識をびりびりと感じさせる学生がいる一方、まるで外見に気を使っていなように見える学生も多い。


・金属加工を行う部屋の前で准教授が「見学かい?今、鉄を切ってるから見てく?」「いいんですか?」「うん」しばし雑談した。「鉄はいいよねえ」「鉄の何がいいんですか?」「硬いところだね」「硬いところ……ですかあ」「うん、硬いところだねえ」


音楽は一過性の芸術だからね。つまりその場限りの一発勝負なのよ。作品がずっと残る美校とは、ちょっと意識が違うかもしれない。あと、音楽って競走なの。演奏会に出る。イコール、順位がつけられるということ。音校は順位を競うのが当たり前というか、前提になっている世界なんだよね。美術でもコンクールなど順位がつく場もあるとはいえ、競走意識は音校に比べてゆるいようだ。


何でも作ろうとする人と、洗い物さえしない人。何もかも自前で飲み会をする人と、鳩山会館で同窓会をする人、普通なら交わらない両者が、同じ学校に通う。それが藝大なのだ。


・「私、二浪してるんです。美術の予備校に通って。でも、楽しかったですよ!だって、絵を描いていられますからね」絵が描きたくて仕方がない、好きという気持ちが生み出す無尽蔵のエネルギーがびりびりと伝わってきた。


・「指揮者って実は地味なことをしている時間が凄く多いんです。とにかく楽譜を読んでますね…。楽器の人は最低自分のパートがわかっていればいいんですけど、僕は全部のパートが頭に入ってなきゃいけないんで、暗記は必須です」オーケストラならパート数が20を越え、シンフォニーならその長さは一時間ほどにもなる。それを全部暗記するのか……。


・「ヴァイオリンには毎日触りたいんです。泊まりでどこかへ行くときにも、持っていきますよ。小さいころからヴァイオリンはいつも持ち歩いてますね。たまに持たずに外に出ると『あれ、ないっ!』て慌てちゃいます」


藝大ってやっぱり楽しいです。最高です。頭おかしい人がいっぱいいて、自由で。人にどう見られるか気にしなくていいところですね。いやーほんと、いろいろいますよ。精神病棟に住んでる油画の人とか。そういう人だからこそ生み出せるものがあるんですよね。


その他、「藝大生しか入れない「古美術研究旅行」」「ガスマスクを売る生協」「全員遅刻VS時間厳守」「音校に合格した学生が一番最初に何をするか?」「月に仕送り50万!?」「ピアノ科受験で肩を壊す」「全音符の書き順は?」「油画の入試は体力がいる?」「教授たちの『膠(にかわ)会議』とは?」「藝大に口笛で入った男=青柳呂武」「現代の田中久重佐野圭亮」「一緒に泊まって、一緒にご飯食べて、一緒に寝る」「楽器のための『体』」「トライアングルなんて誰が叩いても同じじゃない!?」「最終兵器「響声破笛丸」」「仮面ヒーロー「ブラジャー・ウーマン」」「藝大で一番チャラい=声楽科?」「卒業生の半分は行方不明」…など。


す、すごい……。やっぱりアーチストはすごいなあ…。生まれ変わったら藝大に入りたいなあ……入れないか!超オススメです!!!(・∀・)


    


最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常