「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「立身出世と下半身」(澁谷知美)


立身出世と下半身―男子学生の性的身体の管理の歴史


この本のタイトル、スゴいよねえ…。また本の中身がスゴイ…!こんな歴史があったなんてビックリ!(・。・)!

大人たちは、どのようにして少年たちの性を管理しようとしたのか?大人たちは、少年ひいては男性の性や身体を、どのように見ていたのか?この疑問を解明するため、過去の、教師や医師による発言、学校や軍隊、同窓会関連の書類、受験雑誌、性雑誌を渉猟し、当事者へのインタビューを敢行!そのエッセンスを紹介しよう。


・高校生ぐらいの少年に対して、なぜ大人はセックスを奨励しないのか。本書はそうした素朴な疑問からはじまっっている。勉強しろとか、運動しろとかいう親や教師は山ほどいる、だが、セックスしろと、少年にする親や教師はいない。なぜなのか。子どもができたら困るからという答えは却下である。避妊の方法もいっしょに教えればいいかrである。勉強や運動にくらべてセックスは重要ではないからという答えも却下である。セックスという行為を重要なものと考える人は多いからだ。


高校生ぐらいの少年に対して、なぜ大人はセックスを奨励しないのか。この問には別の答えがありそうだ。その答えを手に入れるべく資料をたぐってみたところ、1890年代の言論界に行き着いた。そこでは、教師や知識人が必死になって、性はおそろしいものだ、近づくべきではないと彼らに語りかけていた。


・私の関心の方向性がすこし変わった。大人たちはどのようにして少年たちの性を関し利用としたのか。それではいざ、少年たちを管理した大人と、管理された少年たちの世界へ。本書の目的は、1890〜1940年代の日本における青少年男子の性的身体の管理の内実を明らかにすることで、近代以降の男性の性的身体をどのように見るべきか、その認識枠組みを提示することである。


・1890年代〜1910年代、教育者や知識人、性教育を説いた医学者たちは、どのような言説によって男子学生に性的身体の使用を禁じたのか?教育の現場ではいったいどのような日言説実践が行われることになったのか。



「木下廣次の「籠城演説」」「福沢諭吉の「品口論」」「徳富蘇峰の「非戀愛」」「M検と男子学生」などなど。『蛍雪時代1949〜61年の保険相談(下半身について)』


さすが!大学の論文形式になっているけど、知らなかった事実ばかり、オススメです。(・∀・)



立身出世と下半身―男子学生の性的身体の管理の歴史