「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「地蔵菩薩 地獄を救う路傍のほとけ」(下泉全暁)

この本を読み進めていって涙が出そうになった…。(T_T) 「お地蔵さん」とか「○○地蔵」の名で庶民に広く親しまれている地蔵菩薩。お地蔵さんってスゴイんだあ……愛と慈悲の塊だねえ……。


その主要経典と信仰の実態ならびに図像の特徴を探る。そのエッセンスを紹介しよう。


地蔵は、サンスクリット語の原名で、クシティ・ガルバという。クシティは「土地・大地」の意味。ガルバは「子宮」の意味で、「胎・蔵」などと漢訳される。価値あるものがその中に収められている、というほどの意味になろうか。二つの言葉を合わせると、地蔵とは「大地を自分の蔵とする者」の意味であることがわかる。


・日本の解釈としては、十一世紀に三井寺の僧・実睿(じつえい)が撰した仏教説話集である地蔵菩薩霊験期』に次のようにある


「大地が遥かな昔から万物を生み出して、嫌がったり疲れたりすることがないように、地蔵菩薩は、すべての衆生大慈悲で接することに疲れたり飽きたりすることなく、あまねく利益を施す。また、大地は鉱石や作物、樹木などあらゆる宝を生み出して、決してそのはたらきが尽きることがない。同じように、地蔵菩薩は、無限の功徳を生み出し、衆生を救って、そのはたらきが決して尽きることがない。だから地と名づけられる

また、蔵とは貯えて積むという意味である。世間で蔵の中に財宝や穀物を貯えて、窮乏した人々のために使うことがあるが、同じように、地蔵菩薩は、衆生を救う力を貯えて、尽きることなく大慈悲の教えで導き、衆生の煩悩の苦を除き、仏心の萌芽を成長させる。そこで蔵と名づけられる


・古代インドのバラモン教聖典である『アタルヴァ・ヴェーダでは、大地を讃えて次のような言葉が説かれる。


1 人間や動物などあらゆるものを載せ、宝を収めている大地。
2 すべての草木を生む母。
3 安固にして堅牢なる大地。
4 米や麦、食物があり、雨によって肥沃となる大地。
5 樹木が堅く立つ大地。


『地蔵十輪経』には地蔵菩薩五濁悪事(五濁悪世)無仏世界に現れて衆生を導くと説く。その五濁とは、


1 劫濁(こうじょく) 疫病や飢饉、争乱、天変地異などが起こり社会が乱れること。
2 見濁(けんじょく) 衆生が間違った考え方をするようになること。
3 命濁(みょうじょく) 衆生の寿命が短くなること。
4 煩悩濁(ぼんのうじょく) 衆生の煩悩が盛んになり、さまざまな悪業が行われるようになること。
5 衆生濁(しゅじょうじょく) 衆生の質が心身ともに悪くなり、苦しむ者が増えること。


「私は六道の衆生を救済しよう。そして、もしも衆生が重く苦しむならば、私が代わってその苦しみを引き受けよう」地蔵菩薩は、この代受苦(代わって苦しみを受ける)の誓願をもつ仏として広く信仰をあつめることとなる。


…こういっちゃなんだけど、お地蔵さんの人気の秘密が分かるなあ。こんどお地蔵さんに会ったら手を合わせたくなる。…オススメです。(^^)