今も記憶に新しい、楽天・田中将大投手のシーズン負けなしの24連勝。それが56年前の20連勝を成し遂げた稲尾和久投手と今の24連勝がどこが違うのか!?また、あの野武士軍団、伝説の西鉄ライオンズの光と影とは!?そのエッセンスを紹介しよう。
田中投手の場合、13年シーズンは全28試合に登板し、負けなしの24連勝防御率1.27。そのうち、リーグ優勝を決めた9月26日の埼玉西武線でリリーフした以外は先発だ。間隔の多くは中6日、救援をのぞけば最短は中5日で、これが4試合あった。そして完投は8試合、投球回数はトータルで212回である。
57年の稲尾くんは、20連勝はシーズン途中、7月18日から始まった。そして10月1日まで20連勝を記録するのだが、この2ヶ月半で登板したのはなんと32試合にのぼる。うち連投が8回、3連投が1回、それとは別にダブルヘッダーの2試合ともに投げたのが4回もある。9月15日の毎日線などは、第一試合で完投勝利をあげると、第二試合も救援に立っている。この間の投球回数は178回と3分の1。田中投手の1シーズン分の8割強を、2ヶ月半で投げていた。いまなら常軌を逸した起用法だが、これは7月以降優勝争いが激しくなり、三原脩監督は「勝てる」と思ったら惜しげもなく稲尾くんをつぎ込んだことにもよる。
先発完投が当然の時代、完投は20。投球回数は373回3分の2。35勝6敗、防御率1.37。しかもこれがプロ2年目、20歳のときである。
・稲尾「勝ち星というのは、味方打線との相関関係がある。そこへいくと防御率は、ピッチャーの力量次第。ピッチャーの価値は、たとえランナーを出しても、ホームを踏ませないことでしょう。ピッチャーの価値はいかに点を取られないか、つまり、防御率で決まるんですよ」
・稲尾君が相手チームを抑えられたのは、打者との駆け引きであり、試合を読む目があったからだ。失点を許さないためには、まず先頭打者を出さないことだ。そのためには、打順の巡り合わせも重要なファクターになる。単純に言えば。二死走者なしで9番を迎えたら、わざと四球を与え、続く一番打者を全力で打ち取る。そうすれば次の回は、非力な二番から始まるというわけだ。こうした考え方も、合理的な三原好みかもしれない。
その他、「稲尾和久と田中将大」「西鉄ライオンズ誕生」「流線型打線、完成」「3連覇の真実」「三原の哲学」「西鉄ライオンズのDNA」「西鉄ライオンズ 栄光の軌跡」など。
今でもライオンズのDNAはつながっているよね。オススメです。(・∀・)!