私の辞書には「風邪」という言葉がない。だから風邪を引かない。頭痛や腹痛をほとんど経験したことがない。したがって医者に行かない、クスリも飲まない。だから実に打たれ弱い。体温37度を超える熱にも弱いし、ごくたまにクスリのやっかいになるときは、めちゃめちゃ効いたりするのだ。
さて、この本は、実家が薬局だという雑学王・唐沢俊一氏が語る、まったく知らなかった古今東西のクスリのウラ話と医者もたじろぐクスリ雑学。そのエッセンスを紹介しよう。
・だいぶ以前、医科向けの点眼薬の講習をのぞいたことがある。講師が第一にいった言葉が「点眼薬を患者に渡す際、最初に注意しなくてはいけないのは、これは目にさして使用するクスリです、ということです」というもので、仰天した。このアタリマエが、実は案外、守られていないらしい。とくに老人と子どもには、わかりきったことと思っても噛んで含めるように教えないと、信じられないことをする人がいるという。子どもといっても、実際はその親だろう。老人や、子どもの親は病気という事実に興奮して頭が混乱してしまい、常識ではまったく考えられないことをする。
・『救心』の主要成分がセンソ、つまり、ヒキガエルの耳下腺から抽出した薬品だ。
・コカ・コーラは最初に発明されたとき、医薬品の扱いだった。コーン・フレークも、最初は神経症患者に与える医療用食品であった。タバコも、新大陸から渡ってきたときには医薬品だった。
・現代人が夏に体調を崩しやすいのは、汗をきちんとかかないからだ、という説もある。冷房のきいた室内でずっと仕事をしている人の方が、外回りでたっぷり汗をかく人よりは体調をくずしやすい、というデータがあるそうだ。
・天才とは読んで字の如く、生まれつき天から与えられて備わった才能のことをいうのだが、中には人生の途中で突如、天才になった例もある。17世紀のフランスの哲学者マールブランシュや、19世紀のドイツの哲学者コルネリウスがそれで、彼らは揃って、頭を馬に蹴られて大怪我をし、それを契機にムクムクと知能が上昇して天才となり、それぞれの研究分野で大きな業績をあげた。「馬に蹴られて死んじまえ」などと罵るときもあるが、死ぬどころか。それで天才になる例もある、ということである。
そういえば、昔、「はいた」と「はらいた」のクスリを間違えて飲んで、治ったことばあったっけ!?オススメです。(・o・)