いや〜この本は感動したっ!!!(T_T) 涙ちょちょぎれそうだった……!(T_T)
昭和30年〜40年代に生まれた人にとっては感涙モノだろうなあ…。テーマは、「カセットテープ」!
ひとつひとつの写真やエピソードに、思い出がよみがえる……!
ああ〜思い出すなあ…。小田原の風景を、中学の校庭を、ギターを覚えたてのあの時代を…!
・70年〜80年代を中高生として過ごしていた若者たちにとってカセットテープは、新しい音楽を聴く上でなくてはならないものでした。FM放送のエアチェック、友人から借りた音楽テープのダビング、貸レコ屋で借りたレンタルレコードの録音など、けっして潤沢ではないおこずかいをやりくりしながら、未知の音楽体験をサポートしてくれたカセットテープ。それを取り巻いていたラジカセやコンポなどの音楽環境、はたまたラベルを装飾したり、インデックスを自分流にカスタマイズしてのマイテープ作り、そして友人や好きな異性への自己アピールというコミュニケーションツールとしての側面ーカセットテープがもたらしてくれたものは計り知れません。
・1962年、オランダのフィリップス社によって開発された「コンパクトカセット」は、その特許を無償公開したこと、使い勝手の良さで、「音を記憶する」という行為を誰もが気軽に楽しめる記録メディアとして誕生しました。日本のカセットの幕開けは、ソニー、TDK、マクセルの3社からスタート。カセットデッキやテープレコーダー、ラジカセの普及など急速に一般家庭を席巻していきます。そして「ウォークマン」の誕生、若者たちのコミュニケーションやファッションツールとして重要なアイテムになっていきますそんなカセットテープの黄金時代を、さまざまに振り返ってみたいと思います。
「ラジカセマイスター 松崎順一氏」
カセットの魅力とは何か?僕は「物」そのものだから愛されているのだと思います。今の音楽はメモリーとかハードディスクになっていますが、人はデータは愛せない。カセットに自分の好きな曲を一生懸命編集すると、音楽を「持っている」感じがするじゃないですか。今の風潮として、所有することがナンセンスになっている。今の若い人は物を排除して、あらゆるものを共有、シェアリングする。ある意味、バーチャルですよ。僕はそれとは逆に、物を持つことを提示したいんです。
好きなものに囲まれるのは心地よいし、カセットテープはその代表的なメディアだと思っています。昭和の頃は新製品がどんどん出てきて、みんなも飛びついて買っていた。物に飢えていた時代ですからね。メーカーも出せば売れるので、さらに開発に力が入るわけです。メーカーもたくさんあったし、物を選ぶ楽しみにがあった。今は物を買わない時代ですから、そこは寂しいですね。
CDはまったくの無音状態からいきなり音が出る。あれは人間にとって絶対良くない。テープを再生すると、リーダーテープから磁気テープに変わって、サーッというノイズがまず聞こえる。そうすると、そろそろだなと身体が音を聴く準備に入ります。プレイを押してか数秒経ってから音が出るわけで、その間が心地よいんです。レコードに針を落とした時も同じ。人間がほっとできる間なんでしょうね。カセットは、どこで何の目的で録音したのかということまでもが思い出になる。カセットは思い出と簡単につながるんですよ。
もう一つ、デジタルにない魅力は「見える」こと。メディアが動いているのが見えて、そこから音が出ているんだと確認できるから一番安心する。しかもテープを見れば、残りは何分ぐらいだとか、どの辺に何が入っているのかも、録音した自分にはわかる。録音し直しもできる。カセットは直感的であり、同時に人間にとって一番フレンドリーなメディアなのだと思います。
その他、「4大FM雑誌」「ヘッド消磁器」「キャンペーンポイント」「収納ケース」「カセットレーベル&インデックス」「レタリングシート」「今でも月100万巻販売=日立マクセル」「カセットテープヒストリー」「ミュージックテープの現在と未来」「デザイン、音質、値段…TPOで選んだカセットテープ」「FMが音楽ソースだったあの頃…エアチェックの心構えとお作法」「自作カセットテープで自己表現とクリエーティブを学んだ」など。
確か、高校1年生の頃、すでにカセットテープは1,000本あったなあ…。私が今でも音楽をやっている原点、それがカセットテープだったんだ、とこの本を読んで気付きました。超オススメです。(・∀・)!♪