「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ファイティング寿限無」(立川談四楼)

立川流落語協会から脱退するきっかけとなった(?)立川談四楼の真打昇進問題。それはさておき、氏の本は、実にオモシロイんだよね。


この本の主人公は売れない二つ目の落語家。ケンカをキッカケにボクシングに目覚める。一人前の芸人か?ボクシングのチャンピオンか?二刀流は成功するのか!?そのエッセンスを紹介しよう。


・師匠の橘家龍太楼は言った。「上手くなろうと思うな、売れることを考えろ。こんな時代だ。落語がちょいと上手いだけで売れるわけがねえ。己れに付加価値をつけろ。落語以外の何かでマスコミに斬り込むンだ。見事に売れてみせろ」


・この疲労感は何だろう。わずか10キロのロードワークとストレッチングで泥のように眠りこけてしまうのだ。落語界をふと思う。そこは何と楽な世界なのだろうロードワークもなければもちろんストレッチングもやる必要もなく、発声練習をする落語家すら稀なのだ。


「本邦初 落語もできるボクサー誕生」ファイティング寿限無、またの名を二つ目の落語家・橘家小龍!


「小林はカモシカのような脚をしているなァ、羨ましいよ」「いえ先輩、ハナシカのような脚です」


・夢を見ました。神様が二人出てきて、一人が落語の神様で、もう一人がボクシングの神様でした。オレは二人の神様にどっちの道に進んだらいいか相談しました。落語の神様は笑って答えてくれません。ボクシングの神様は怖い顔して、迷わずこっちにくりゃいいンだと言ってました。その時にオレ、落語家に戻ると決めたンです。オレ、笑ってる人は裏切れないと思ったンです。オレ、下手ですけど、そのとき落語が死ぬほど好きだとわかったンです。オレが落語界に戻ったからと言って、落語界が喜ぶとも思えません。それより新チャンピオンをいきなり失うボクシング界の方が影響が大きいと思います。だけどオレ、落語をやりたいンです。だって落語の神様はオレを見て、ニコニコ笑ってたンですから。


落語ファンも、ボクシングファンも楽しめる一冊です。オススメです。(・∀・)