「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「自由訳 般若心経」(新井満)

新井満といえば、70年代は「ワインカラーのときめき」、そして千の風になって」など数々のヒット曲を生み出したシンガーソングライターでもあり芥川賞作家でもあるマルチなアーチストだよね。

その彼が書いた、「般若心経」の新訳がコレ。

「あまりにも有名な『般若心経』とは、実はあまりにも誤解され続けてきた経典でもあった。色即是空とは?空即是色とは?それはブッダが発信した“幸せのメッセージ”。あの超難解な『般若心経』が、こんなにわかりやすくなっても良いのか。目からウロコの自由訳」そのエッセンスを紹介しよう。


この世は五つの要素から成り立っている。五蘊(ごうん)と呼ぶのだが、それらは、すべて空(くう)なのだ。そして、すべてが空であると見極めるならば、一切の苦悩や災難から万人は救われるのだ。


この世に存在する形あるものとは、喩えて言えば、見なさい、あの大空に浮かんだ雲のようなものなのだ。雲は刻々とその姿を変える。そうして、いつの間にか消えてなくなってしまう。
雲がいつまでも同じ形のまま浮かんでいるなどということがありえないように、この世に存在する形あるものすべてに、永遠不変などいうことはありえないのだ。すべては固定的ではなく、流動的なのだ。自律的ではなく、相互依存的なのだ。絶対的ではなく、相対的なのだ


今そこにあったとしても、またたくうちに滅び去ってしまう。そうであるならば、そんなつかの間の存在に対してあれこれとこだわったり思い悩んだりするのは、ばかばかしいことだとは思わないかね…


だがね…面白いことに、こうも言えるのだよ。この世に存在する形あるものすべてがつかのまであるからこそ、ついさっきまで存在していたものが滅び去った次の瞬間、またぞろ様々なものがこの世に生じてくるのだよ。あたかも何もなかったあの大空に、再び様々な形をした雲が、湧き出てくるようにね…


しかもそれらは、意味もなくこの世に、生じてくるわけではない。無数の様々な原因(因)と条件(縁)が、寄り集まって生じてくるのだ。


あなたは意味もなく生まれてきたわけではない。無数の様々な原因と条件が寄り集まって、生まれてきたのだ。つまり、生まれる意味があったからこそ、あなたは生まれてきたのだ。そのことを思うと、不思議な気分になるね…。そうなのだ。
今、生きているあなたとは、奇蹟のような存在であると言っても、過言ではない。
まことにまことに、ありがたい存在でもあるのだよ。


舎利子よ。さらに言おう。あなたの中には無数のいのちが存在している。あなたを産んでくれた父と母だ。その父にも、また父と母がいて、その母にも、また父と母がいる。
その父と母にも、さらにまた父と母がいる。あなたから十代前までさかのぼるならば、あなたにつながる父と母は、千人以上となる。さらに二十代前までさかのぼるならば、父と母の数は百万人を超える。即ち、無数のいちちが寄り集まって、あなたといういのちを成しているのだ。その中の、わずか一つのいのちが欠けたとしても、あなたといういのちは成り立たない


心の中で想い描いてみなさい。宇宙全体をくなまく、とうとうと流れつづける、いのちの巨大な運動体。宇宙大河を…。宇宙大河は、無数の一滴が寄り集まって成り立っている。
そうであるならば、その中のわずか一滴が欠けたとしても、宇宙大河は成り立たないことになる。一滴は、宇宙大河を成し、宇宙大河は、一滴に依存している。


舎利子よ…。実はあなたのいのちとは、宇宙大河の一滴のことなのだ。わずか一滴ではあるければ、その一滴がなければ、宇宙大河はついに成り立たない。あなたのいのちの一滴は、宇宙大河を成し、宇宙大河は、あなたのいのちの一滴に、依存している。


どうかね、すばらしいこととは思わないかね。おどろくべきことだとは思わないかね
宇宙大河の中を、とうとうと流れてゆく、あなたのいのち。あなたのいのちの中を。とうとうと流れてゆく宇宙大河。即ち、あなたとは、宇宙そのものなのだよ。


舎利子よ…。かげろうのようなつかのまのいのちを生きている私たち生きものとは、なんとはかなくせつない存在だろうねえ。しかし、たとえつかのまであったとしても、そのようないのちをいただいている私たち生きものとは、あなんとありがたく、すばらしい存在だろうねえ。


しかも、あなたは、たった一人でこの世を生きているわけではない。他の人間たちはもちろんのこと、あなたはあなたを取り巻いている虫や花や魚や鳥や馬や牛や虎や犬や猫や蛇や蟻や象や蝶や樹や森や岩や月や星や太陽と共に生きているのだ。彼らと共にこの世を形成しているのだ。その中のたったひとつのいのちが欠けても、この世はなりたたない。彼らはあなたの親であり、子なのだ。兄弟であり、姉妹なのだ。そしてどのいのちとも深い絆で結ばれていて、助けたり助けられたりしながら生きているのだ。その絆を大切にしなさい。あなたのいのちと、あなた以外のすべてのいのちに感謝しなさい。うやまいなさい。そしてあなたがこの世に生まれてきた意味を考えなさい。なぜ自分は、生まれてきたのか?


あなたが生まれてこなければならなかった意味と理由とは何か。それは“役割”と果たすためなのだよ。そう。自分以外の他者と、人間以外の無数のいのちのために、何ができるか。あなたでなければはたせないあなただけの役割を果たすために、あなたはこの世に生まれてきた。そのことを決して忘れてはいけないよ。


舎利子よ、もう一度言おう。こだわりを捨てて生きなさい。そして、いただいたいのちに感謝しながら、自分の役割をはたしなさい。


うーん、スゴイメッセージだなあ…お釈迦様ってスゴイなあ…。涙が出そうになるなあ…。オススメです。(・∀・)