「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「進化した猿たち1」(星新一)



中学生の頃、夢中になったショート・ショートの名手・星新一。  。(・∀・)

久しぶりに読んだのがこの本、「進化した猿たち」。タイトルとは違うけど、アメリカのヒトコマ漫画についての紹介でもあり、研究でもあり、随想でもあり、雑談でもある。そして私のギャグのネタ帳でもある。今後アメリカ漫画を一段と楽しんでいただけるための一助にでもなれば私はうれしい。進化した猿たちの、進化した猿たちによる、進化した猿たちのための本なのである。そのエッセンスを紹介しよう。



【死刑を楽しく】


死刑漫画がなぜアメリカにあって、わが国に存在しないのだろうか。まず第一にあげられるのが、死刑の発生のちがいでだろう。アメリカでは開拓民の総意による悪人退治の形である。第二は、わたしたちの深刻愛好癖である。


・ついに死刑の時が迫り、死刑囚は電気イスにしばりつけられた。やがて非情な看守の手が電源スイッチへ伸びる。その時。かけこんできた男が大声で叫ぶ。


「知事からの命令だ。その処刑はしばらく延期だ……。こんどの知事選挙でだれに投票するつもりか、囚人に聞いてみてくれとさ」


死刑前夜の食事。つまり最後の食事


死刑囚A「どれもふとる料理ばかりだな」


死刑囚B「いままで中毒がこわくて食べないできたが、このさいキノコ料理も味わうとしよう」


死刑囚C 酒を飲み、葉巻きをくゆらせ「ごちそうさまと国家に伝えてくれ」


・ある死刑囚が天井の電球をはずし、そこに指をつっこんで、びりびりをがまんしている。二人の看守がそれを眺めて話し合っている。

「なにをやっているのだろう」「電気への耐性を高めるつもりらしい」


・銃殺隊長が囚人にゴム鉄砲を渡し「さあ、これで応戦してもいいぞ」


銃殺隊長が「そう悲しそうな顔するな。おれの部下はみな射撃がへたくそだから、しばらくは命中しないですむぞ」


「すまんが命中したら、そばの穴に落ちてくれ。埋葬の手間がはぶけて助かるんだが」


・首つりの寸前、弁護士が囚人にむかって、とくいそうな顔で「どうです。お約束どおり。電気イスだけはまぬがれたでしょう」


H・G・ウェルズは友人たちに「あっちへ行っててくれ。死ぬのに忙しいんだ」


【ぬれ手でアワ】

弁理士の事務所へ、妙な箱を持ち込んだ男があった。

「すごいものを発明しました」「まあ。まず現物をお出しになって、説明してください」

「この装置はですね。特許の調査、書類作成など手続きを一切安くやってくれる弁理士ロボットで……」


【番号の男たち】


・ひとのいい囚人「おれが入所して二年、やっと子供が生まれたか」


・囚人に面会にきた夫人、大笑いしながら外のことをながながとしゃべったあと

「あなた無口になったわね。そっちの変わったことも話してよ」


・手紙を書きながら囚人が看守に聞いている。「脱獄という字はどう書いたらいいのでしょう」


・囚人の妻「あなた、子供たちが成長し、質問をはじめるようになったの。盗んだ金をどこにかくしたのかって」


・葬式の記録を撮影するようにたのまれた写真屋。ついいつもの癖でシャッターを押す前に「さあ、みなさん笑って…」


・墓掘り男。ここにも働き者と怠け者があるらしく、怠け者が一服しながら呼びかけている。「要領よくやろう。そう休まずに熱中すると、墓穴を掘るようなものだぞ」


・「睡眠薬を連用するのはおよしなさい。癖になりますよ」と医者に注意され。患者が答える。「大丈夫ですよ。私は二十年も毎晩かかさず飲み続けていますが、まだちっとも癖になんかなっていません」

「あたしが不感症なんて夫の誤解よ。そうでないことを証明する人がたくさんいますわ」


・結婚相談所の相談員が、腕時計をのぞきながら来客に言っている。「申し訳ないが、お話しは簡単に願います。じつは、きょう私の離婚訴訟の裁判がありますので」


・イブがアダムのうしろから目かくしして「だーれだ」


うぷぷ!オモシロイでしょ!「笑いは百薬の長」オススメです。(・∀・)