「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「地名の秘密 秘められた歴史の謎に迫る」(古川愛哲)

この本は実にオモシロイ。私は20年住んでいる横浜市金沢区釜利谷の地名の由来が載っているとは!まさか思わなかったー!!!


「こんな地名の町に住むと水害に遭う。江戸時代には東京湾はなかった!?土地と悪戦苦闘した人々が残した地名…地名を歴史的視点から読み解くと、日常生活やビジネスにも役立ち、読後は外出する際の風景が一変するはず」そのエッセンスを紹介しよう。


長者という名の地名は、北は青森県から南は福岡県まで、全国各地にある。どの長者の地名も、その昔「長者が住んでいて…」という類の伝説を持っているが、その伝説の当否はまちまちであるが、どの「長者」地名にも共通する確実な事実は、すでに長者の痕跡は埋没していること、長者がいた跡形もないことに意義がある。「長者」とはがけ崩れや崩壊地を意味する地名である。そもそも「長者」とは古語で「ちゃうじゃ」と書き、「チャウジ(打ってこらしめる)ヤ(岩・谷・湿地)」で、谷や湿地で岩などを叩く、崖崩れの地という意味で「長者」の漢字を当てたにすぎない。


「梅」はウメ(埋め)に通じる語呂合わせで、地滑りで埋まったことを意味する場合が多い。北海道から宮崎県まで、梅の時のつく地名は665もあるが、一部の梅園にかかわる地名を除くと、地滑りで埋まった地や埋め立てた地が多い。有名なところでは、大阪駅のある梅田は、人工的に埋め立てた梅田である。梅の字は人口と自然の埋めの当て字が多い。


・神奈川県横浜市金沢区「能見堂」という地名があって、それに由来する「能見台」という駅と住宅団地がある。丘陵地帯の見晴らしの良い所にあって、あまりに景色がよいので名所になったに違いない。古くは「のっけんどう」「のけんどう」と呼んでいた。いつの頃か、山中の相州鍛冶の集団は、お堂を「のっけん堂」にして山を下りて、金沢区釜利谷地区をはじめとする鎌倉周辺各地に集住したように思われる。金沢区釜利谷の地は鎌倉幕府の武器庫として知られる、釜利谷とは変わった地名だが、カマリヤの「カマリ」とは「屈(かが)まる」の意味で、「伏せかまり」となると「忍びの者」を意味する。相州鍛冶は秘匿性の高い存在だったのではないだろうか。


・「等々力」という地名は「トドロキ(轟き)」で水音高く多摩川が流れる場所を意味する。「野毛」は「ノゲ」または「ノギ」といって崖地を意味し、「抜け」にも通じるといわれる。鉄砲水で抜けてしまう。そういう危険な地だが、それでも感慨技術が高度化するまでは、水田には適した土地で水と慎重に付き合いながら水田が営まれていたにちがいない。ちなみに「野毛」は横浜市中区にもあり「野木」「乃木」などと同じく「崖」を意味する。そういえば野毛山も崖だらけである。


ほーっ…そういえば、よく行く街に、伊勢佐木長者町があるなあ…その昔に大岡川が氾濫したのかも!?オススメです。(・∀・)