「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「戦火に散った巨人軍最強の捕手 吉原正喜・炎の生涯」(澤宮優)

戦前、打撃の神様川上哲治とバッテリーを組んだ伝説のキャッチャー、吉原正喜。巨人軍最強の捕手と言われる。アニメ巨人の星でも登場したよね。


吉原が多くのファンを惹きつけたのは、快速を飛ばして駆け抜けていく一塁へのバックアップだった。打者が打った瞬間、彼も立ち上がって一塁へ走る。マスク、レガースなどの防具を着けているが、打者走者を追い抜いて一塁に着く。打者走者と彼の一塁までの競争は球場名物であった」その吉原正喜の炎の生涯の証言を紹介しよう。


・「後にも先にも吉原以上の捕手は巨人にはおらん。きびきびした動き、足の速さ、どれをとっても奴に敵う捕手はおらん。ジャイアンツのナンバーワンの捕手は吉原ですよ。川上とは全然違うよ。川上のほうがもっと理性的や、吉原は本当に天真爛漫でやることに愛敬があった。だから吉原のほうがお客さんは喜ぶわけや。吉原はベーブ・ルースや長嶋みたいにお客さんをい楽しめるタイプの男や」(吉原と同期入団(昭和13年)の名二塁手千葉茂


・「今の時代から見ると昔の職業野球は酷いものだったですよ。人気もまったくなかった。吉原はそんな時代に精一杯がんばってプレーして、兵隊に取られて死んでしまった。気の毒だったと思う。せめて盛んになったプロ野球を見せて死なせてあげたかった」(川上哲治


・「吉原さんの特質は今までの野球界で、現在過去を含めて、あれだけ足の早い捕手はいなかったということですね。とにかく全身がバネの固まりで凄いという一語に尽きますね。メジャーリーグでもこれほど馬力のある捕手はいないだろう」(多田文久三)


・「吉原は足が速いし、あのキャッチャーフライ捕るの、いまのどの球団のキャッチャーにもまねできないよ」(水原茂


・「未だに脳裏に焼き付いているのは吉原さんのベースランニングです。びっくりするくらい速いです。巨人には他にも俊足の選手はいましたが、吉原さんのはまるで違うんです。ものすごいスピードで塁間を風のように、燃えるように走るんです。人に何か素晴らしいものを与えるような、そんな走りでした。野村克也森昌彦田淵幸一、最近では古田敦也とか有名な捕手は出ましたけど、吉原さんと何か違うんです。人の心に熱く伝わるものがある野球のプレーを超越した素晴らしい人間性をそこに感じるからなんです」(林秀男(戦前の吉原の熱狂なファン))


野球ができるってなんて平和なんだろうね。全ての野球ファンに贈る一冊。オススメです。(・∀・)