「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「終着駅は始発駅」(宮脇俊三)


ずっと読みたかった本をついに読みました!旧国鉄の全線全駅を制覇した宮脇俊三さんの著作。JRになる前の国鉄時代の鉄道についてのウンチクを知ることができる。そのエッセンスを紹介しよう。


東京駅に勤務する国鉄職員の数は、1109人(昭和54年度末)だという。日本一の駅であるから、200人や300人はいるだろうとは思っていたが、そんなにいるのかと、おどろいた。しかも、東京駅で働いているのは国鉄職員だけではない。清掃や施設の保守などの仕事は外部に委託しているのである。これでは人件費や外注会社への支払いが大変だろう。国鉄の赤字が累積するのも無理はない。なにしろ、一般乗降客の知らない裏側に、じつにいろいろな仕事があるのだ。これだけの裏側があって、はじめて東京駅という「表」が成り立っているのか、東京駅って大変なんだなあ、と思うようになった。〜中略〜


「もし仮に、列車はいっさい遅れず、職員の勤務も客への応対も100点満点、そして客もまた完全無欠、チリひとつ落とさず、酒も飲まず、駅員に文句を言うどことか口もきかず、空気か神様のようであったとしたら、駅員は何人ぐらいで足りるでしょうか」と、私はきいた。水島駅長は即座に「いまの半分でやれますでしょう」


「お忘れ物承り所」に一日平均600件の忘れ物が集められる。中に入ると、無いものは無いと言ってよいほど何でもある。人間とはこんなに何でも忘れることができるのかと関心してしまう。手押し車、高級ブランデー、ギター、新巻鮭、ゴルフバッグもある。もちろん、忘れ物でいちばん多いのは傘である。ひと雨降ると400本ないし500本の傘が集まってくる。傘を取りに来る客は、わずか5%、物品については約30%、現金はさすがに返金率がよく約80%だという。


・1 交通機関が便利になったからといって、点から点へと大急ぎの旅行をしてはならない。旅とは、古来、点ではなくて道程、つまり「線」であり、線にこそ旅のよさがあった。鈍行列車にでも乗って、ゆっくり道中を楽しもうではないか。


2 北海道へ行く人の大半が飛行機を利用するようになったが、はじめて北海道旅行にでかける場合は、せめて往路だけは汽車と連絡船を利用してほしい。そうでないと北海道がわかりにくい。


3 遠くへ行くばかりが旅ではない。首都圏の人は、ぜひ鶴見線に乗ることをおすすめする。


蒸気機関車の呼称が、いつのまにか「SL(Steam Locomotiveの略)に変わってしまったことは、なじめない。「火車」「蒸気車」「陸(おか)蒸気」として日本に現れた石炭を燃料とする動力車は、まもなく「蒸気機関車」の名で定着した。そして、そして日本の近代化、さらには軍国主義をも牽引してきた。ところが、それが「SL」になった。あの重厚にして鈍重、そして時代遅れになった老機を、なぜ、そんなハイカラな呼び方をしなければならないのかと思う。


この本に書かれていた、「終電に乗り遅れた客を仮泊させる大部屋が東京駅の地下に設けられている通称『100号室』」というのは現在でも、実際に存在するのだろうか!?ネットで検索しても出てきません。鉄道ファンの方、教えて下さい!オススメです。(・∀・)