今年は、『逆説の日本史』の著者の井沢元彦氏の著作を完全読破する!のだ!(・ω<)
さて、この本は著者の新たなライフワーク!「地球外生命体(ET)の視点」で人類の歴史を読み解く逆説史観による文明論。そのエッセンスを紹介しよう。
・この本の目的は歴史というものを人類共通の知恵として多くの人々に理解してもらいたいということと、自分が未だに解決できない自分、「文明はどのように発達し、なぜ衰退するか」を極めてみたいということにある。
・農業を自然との共存だとする人々もいるが、これはまったくの誤りで、農業とは人類の地球環境及び自然破壊の第一歩なのである。田畑を造成するということは、もともと原野であって様々な植物や動物が生活していて、地質的にも複雑な土壌を、人類がその地で限定的に栽培する植物(作物)にとって都合の良い均質な土壌に変えてしまう。
・農業の歴史というのは、「害虫」との戦いの歴史であった。鳥獣よりも彼らの方が強敵であったからだ。そして、人類は農薬という「化学兵器」を考案し、また遺伝子組み換えという手段で、彼らに勝利を収めた。それは人類の長い歴史からみれば、つい最近のことである。
・様々な階級・身分の中で、最も早くから「死後の生」の問題に関心を示したのは、どの文明圏で王族それも最高権力者であった。理由は簡単で、最高権力を得たものは現世の願望はすべて満たされるからだ。庶民はまだまだ食うことに追われている中で、最高権力者だけは余計なことを考えずに、死あるいは来世の生について考えることができた。
・ここで最も基本的だが、確認しておきたいことがある。それは「ピラミッドは墓ではない」そして「ピラミッドは奴隷の労働によって造られたものではない」ということだ。その最も有力な証拠が、ファラオをミイラがピラミッド内で完全な形では発見されたことがない、という極めて意外な事実である。
・古代エジプト文明史の最大の問題は実はピラミッドの謎ではない。これほど素晴らしい技術がなぜ後世に継承されていかなかったのか?エジプト文明は少なくとも五千年近く前に、クフ王のピラミッドのような高度な技術水準を達成しながら、なぜそれがすんなりと蒸気機関や自動車や宇宙ロケットへと発展していかなかったか?である。
・近代以前と近代以降を大きく分けるものは一体何だろうか?人権思想、民主主義あるいは資本主義?私は意外に多くの人が気がついていないのが情報の公開ということだと思う。
・古代エジプトでは、これは推論だが、そうした数学や技術と宗教的祭儀が固く結びついていたため、文明が危機に瀕した時、それを文字化する努力も後世に伝える努力もなされなかったのではないか。自分たちと異なる神を信じる者に、自分たちが多大の費用と時間と労力をかけて開発した技術をただで渡す義理はないからだ。ちょうど近世の日本の数学者や医者が、他流派の人間に新しい発見を渡そうとしなかったように。
・中国文明というのは15世紀においてそれほど偉大な文明であったのかという検証であり、もう一つは現在の中国という国家が文明の最先端から後れているという証明である。
…やっぱり面白すぎる!井沢元彦はサイコーです。オススメです。(・ω<)