「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「攘夷と護憲 歴史比較の日本原論」(井沢元彦)

この本を読みながら「なるほど!」と頷いた。つまり「我が日本の、日本人の最大の弱点とされる「空理空論と先送り」するという習慣(?)、幕末維新を徹底的に阻害した攘夷の考え方が、今もこの国を呪縛している」のだ。

いまこそ何をすべきなのか!今、必要なのは佐久間象山のような人材ではないか。いかに彼が先駆者だったのか。


明治維新のコンセプトは、すべて佐久間象山「海防八策」にあり


林子平、渡邉崋山、高野長英なのど先駆者の考え方を具体的に、つまり、鎖国をやめ海外に国を開き、外国との交流を密にし、そして彼らの長所を吸収することによって、本当の意味での攘夷、つまり外国からの干渉を排除して日本を独立させるということを初めて述べたのは、信州松代の佐久間象山です。
象山は、世界の情勢に注意し、天保13年(1842年)には「海防八策」というものを幕府に上申しています。


1 諸国海岸の内容を要所に砲台を設置すること
2 現在行っているオランダへの銅の輸出を禁止し、その銅で大砲を鋳造すること
3 他国に劣らぬ大船を作り、江戸への物資輸送を安全にすること
4 海運に携わる役人を厳選し、海上の取締りを強化すること
5 西洋の造船技術を学び、海軍の養成に努めること
6 津々浦々に学校を設け、百姓町人に至るまで忠孝・節義の道を教えること
7 賞罰を明らかにして政治に信頼を持たせ、民心の団結を得ること
8 人材登用の道を開くこと


驚くべきことに、これはほとんど明治維新の路線と同じなのです。


ちなみに象山の義理の兄、つまり妻の兄に当たるのが勝海舟です。勝海舟は初め勝麟太郎と名乗っていました。「海舟」という名は、佐久間象山がつけたようなものなのです。海軍の創設を生涯の念願としていた象山は、自分の書斎に「海舟書屋」と書いた額をかけていまいした。
その額を勝麟太郎が非常に気に入り、これは良いということで貰い受け、勝海舟と名乗るようになったのです。後に佐久間象山は攘夷派によって暗殺されてしまうのですが、彼の意志を継いで海軍の創設に尽力したのが勝海舟でした。


もし、佐久間象山が暗殺されてなかったら、日本の歴史が変わっていただろうなあ。今こそこの本が学ぶべきだ。オススメです。