「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ぼくはお金を使わずに生きることにした」(マーク・ボイル)

またまたユニークな本に出会いました。(・∀・)

1年間お金を使わずに生活する実験をした29歳の若者の記事がイギリスのテレビや新聞で紹介されるや、世界中から取材が殺到し、大きな反響を呼んだ。著者は、不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて暮らし、半自給自足の生活を営む。手作りのロケットストーブで調理し、歯磨き粉や石鹸などの生活用品は、イカの甲を乾燥させたものや植物、廃材などから手作りする。衣類は不要品交換会を主催し、移動手段は自転車。本書は、彼の1年間の金なし生活をユーモラスな筆致で綴った体験記である。貨幣経済を根源から問い直し、真の「幸福」とは「自由」とは何かを問いかけてくる、現代の『森の生活』」


結論としては、「お金がなくても豊かに暮らせること」そのエッセンスを紹介しよう。


お金はちょっと愛に似ている。誰もが一生追い求めつづけるわりに、その正体を真に理解する人は少ない。そもそもの始まりは、どこから見ても素晴らしい思いつきであった。その昔、人々はお金ではなく物々交換で商取引を行なっていた。


お金はもはや人間に仕える僕(しもべ)ではなく、人間がお金の僕になったのだ。世界はお金に乗っ取られてしまった。それ自体には何の価値もないものを、ほかのすべてんを犠牲にしてまで、世をあげてあがめてまつっている。そのうえ、今のお金という概念全体が、不平等や環境破壊や人間性軽視を助長するようなシステムを下敷きにしている


・今よりお金に重きを置かない世の中にしたいち望むなら、まず自分が金を使わずに生活してみて、そんなことが可能かどうか確かめたらいい。方針が決まったのは2008年6月。少なくとも一年間、お金を使わないでやってみる。友だちに話すと、どうかしちまったんじゃないかと言われた。「おまえってやつはどうしてそう極端に走るんだ」と。丸一年、金銭の授受をしないこと。小切手もダメ。クレジットカードもダメ。例外は一切なしだ。十二ヶ月の間、必要な物や欲しい物があるときは、現金やそれに類するものを使わずに手に入れなければならない。銀行口座は解約した。


何をするにも時間がかかるようになったみたいだ。衣類の洗濯にしてもそう。洗濯を始める前に、自分でせっけんを作らなければならない。まず、火をおこすのに使う木を街で拾って自転車で運んでくる。次に、ロケットストーブをつけて適量のお湯を沸かす。そこへ、エコグッズ屋さんから「採集」してきたソープナッツ(ネパール原産のムクロジ)を入れる、たえず古ダンボールからロケットストーブにくべながら、約一時間半ナッツを煮詰めると、あら不思議、自家製洗剤ができあがる。ゴシゴシ洗うのに40分、すすぎに20分、ありったけの力で水をしぼってから吊り干しにする。冬の屋外では服が乾くまで数日かかることがある。


あらゆることに時間を要した。一杯のお茶をいれるのに約20分ときには飲むのをあきらめたほうが気が休まる。同様に、トイレに行くのも時間をとられる。まず、あたりに人影がないことを確かめなければならない。寒くなっても、薪割り、たきつけ拾い、紙探し、火おこしがあって、やっと火がつく。それからさらに30分かかってトレーラーハウスが温まる。


・自然環境と調和したカネなし生活のためにどうしても必要なのは、肉体的健康、自制心、地球とその上に行きとしいけるものに対する配慮と礼節、それに、与え、分かち合う力。これらこそがカネなし生活にとって欠かせない。


いいなあ…!やってみたいなあ!「分かち合い(シェア)」をベースにした新しい社会っていいよね。オススメです。(・∀・)