「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

POETRY〜亡き父の作品集…『五行歌 橅林(ぶなばやし)(一)


毎年恒例、小田原の実家に里帰り。家族が大集合しました。(^<^)

早いもので父が亡くなって早や10年。69歳だったのでちょっと早すぎました。

昭和ひとケタ生まれながら、私とほぼ同じ180センチ近くある大男。

厳しく、やさしく、寡黙で、ガンコで、懐が深く、あらゆる分野の知識に溢れる父でした。

体調を崩し、自宅で静養しているときに、突然死のような形で亡くなったのだが、生前、口癖のように話していた。


「人生は悔いはない。本当にいい人生だった」


一月生まれだった父を偲んで、父が残してくれた手書きの歌集「橅林」を改めて読み直しました。

私ごとですが、紹介させていただきます。



題名について

橅(ぶな)は冬の厳しい寒くい風雪に耐えて春になれば目に鮮やかなうす緑となる残雪の中に萌える若葉の橅林ほど人を感動させるものはない。
春は名状し難いその美しき黄金色に冬は灰色に彩られる。
橅林の下の井戸水をのみその水で味噌汁を作り、ブナの薪で ご飯を炊き 風呂に入った 実は炒って食べ 又 油をとった
この橅の恩恵に心から感謝を捧げたい ふるさと松之山の代表的な木 ぶなの名をつけさせて頂いた


はしがき

草壁焔太先生の歌を初めて拝見させて戴いたののはつい最近平成十二年の一月のことである
私の次男 輝によって始めて五行歌を知り 又 幸運にも 草壁先生に お会いすることができた
五行歌は草壁先生がつくり広めたものである この自由と奔放とも思える五行歌 この未知の素晴らしい世界を
体験したくなった 私なりのものを少し書いてみた 人様におみせ出来るものではないことは承知のうえで



親 その又親
三十代さかのぼれば
二億余人
この生命(いのち)
おろそかにできない


泥が深ければ
深いほど
蓮は
見事な
花を咲かす


道ばたに
落ちていた鏡
その粉々になるまで
働いた一生を
きいてみたい


あとどのくらい
生かされるのか
誰にも
わからぬ
この面白さ


春はうれしい
ゆめもふくらむ
卒業式のいろいろ
だが人生の
卒業式は淋しい


村はよくなった
田も広くなった
道もよくなった
そして
老人(としより)だけになった


この手
何でも出来る手
両親の
かたみの
大きな手


車椅子
ごくろうさん
もういいんだよ
母は帰らぬ
旅に出たから



輝が
幸せを
届けてくれた
宝もの
五行歌の本だ


お父さん、ごめんね。人に見せちゃったよー!!!<(_ _)>今年も見守っていてくださいね。