「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜これが道徳の原点だ!…『国民の修身』(監修 渡部昇一)

国民の修身

国民の修身

学生の頃、憧れた上智大学名誉教授の渡部昇一氏が監修しているこの本。(´▽`)

戦前の「修身」教育勅語は、話には聞いていたが、実際に読んだのは初めて。古臭くて、封建的なイメージがあるけど、ちょっと違っていたなあ…。「修身」とは、戦前の小学校で教えられていた現代の「道徳」にあたる科目。



本書では小学校1~3年生の「修身」の教科書を再現。そこには人間としての大切なことがわかりやすく説かれているのだ。そのエッセンスを紹介しよう。


「修身」という言葉が普及したのは、徳川時代儒学が普及し、四書(『論語』、『孟子』、『大学』、『中庸』)各地の犯行などで読まれ、その中でも『大学』の中の教訓の「修身・斉家・治国・平天下」という言葉に要約したものが、主として武士階級の人々に記憶されるようになったからである。

この『大学』の言葉は支配階級の人たちの心がけの順序として教えられたのであった。天下を収めようとするなら、まず自分の国(領地)をよく治めなさい。自分の国を治めるには、まず自分の家をよく平和に保つように斉(ととの)えなさい。自分の家をさいとうえるには、まず自分自身が収容して立派な人格を作らなければなりませんということである。これは朱子学のエッセンスとして受け取られた。

今日には今日にふさわしい道徳教育が行われるべきであるが、教育勅語の徳目は時代や場所を超えて普遍・不変の価値があるし、そこに示された徳目を目指して修身に心がけることは、普遍・不変の価値があると思う。



十七

徳川光圀は女中たちが紙を粗末にするのをやめさせようと思い、冬の寒い日に紙すき場を見せにやりました。女中たちは川の上の桟敷に居て、寒い風に吹かれながら、紙すき女が水の中で働く有様を見て帰りました。そこで光圀は「一枚の紙でも、紙すき女が苦労してこしらえたものであるから、無駄に使ってはならぬ。」と言ってきかせました。女中たちはなるほどと悟って。それからは紙を粗末にしないようになりました。



道徳教育のあり方が問い直される昨今、今一度、日本人の原点を振り返るのにふさわしい一冊。そして年末に読むのにふさわしいかも。オススメです。(・∀・)