予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 増補版
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: ペーパーバック
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BOOK〜なぜ、人は動かされるのか?…『影響力の武器』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20081120
これまでの経済学では、人は合理的に行動するものと考えられてきた。だが、本当にそうだろうか?
本当はおなじ味でも、雰囲気のいいカフェのコーヒーにはファストフード店のコーヒーより高いお金を払っていないだろうか? また、上等の靴下が必要だったのに、一足ぶんおまけされていた安物の靴下を買ってしまったことは? そう、人は不合理な行動をとるものなのだ。人の不合理さを研究する「行動経済学」研究の第一人者が語る衝撃の一冊! そのエッセンスを紹介しよう。
・選択肢が三つあると、たいていの人が真ん中を選ぶ。値の貼るメイン料理をメニューに載せると、たとえ、それを注文する人がいなくても、レストラン全体の収入が増えるのはなぜ?
・「トム・ソーヤーの冒険」の有名なエピソードを覚えているだろうか。ボリーおばさんに塀のペンキ塗りを言いつけられたトムが、それを利用して友だちを丸めこもうとしたあのエピソードだ。ご存知のとおり、トムはいかにも楽しそうにペンキを塗って、この仕事がおもしろくてたまらないふりをする。そして友だちに話す。これが雑用だって?塀を塗るなんて、おれたち子どもがそう毎日やらせてもらえることじゃないだろう?この新しい「情報」を得たトムの友だちは、塀塗りのおもしろさを発見する。まもなく、友だちは塀塗りをさせてもらうためにトムにお金を払い始め、それだけでなく、この作業をほんとうに楽しむようになる。双方に有利な結果というものがあるなら、これはまさにその一例だ。トムはマイナスの事態をプラスの事態に一編させたと言える。
・普段コーヒーは飲まないのに、コーヒー豆の無料!クーポンに思わず飛びついたという経験はないだろうか。食べすぎて胃が痛くなりはじめているのに、食べ放題のビュッフェで無料!の料理を何度もお代わりした経験は?あるいは、役に立たない無料!の品々がどんどんたまっていないだろうか。たいていの商取引には良い面と悪い面があるが、何かが無料!になると、わたしたちは悪い面を忘れ去り、無料!であることに感動して、提供されているものを実際よりずっと価値あるものと思ってしまう。なぜだろう。それは、人間が失うことを本質的に恐れるからではないかと思う。無料!の本当の魅力は、恐れと結びついている。無料!のものを選べば、目に見えて何かを失う心配はない(なにしろ無料なのだ)。ところが、無料でないものを選ぶと、まずい選択をしたかもしれないという危険性がどうしても残る。だから、どちらにするかと言われれば、無料の方を選ぶ。
・値段ゼロは単なる値引きではない。ゼロはまったくべつの価格だ。二セントと一セントのちがいは小さいが、一セントとゼロのちがいは莫大だ。お客をおおぜい集めたい?何かを無料!にしよう。商品をもっと売りたい?買い物の一部を無料!にしよう。
・人が何かを欲しがらせるには、それが簡単に手に入らないようにすればいい。(マーク・トウェイン)
あまりに面白すぎて、紹介しきれないので、あとは読んでね。「相対性の真相」、「需要と供給の誤謬」、「ゼロコストのコスト」、「社会規範のコスト」、「無料のクッキーの力」、「性的興奮の影響」、「先延ばしの問題と自制心」、「高価な所有意識」「扉をあけておく」、「予測の効果」、「価格の力(プラセボ効果)」、「不信の輪」、「なぜ私たちは不正直なのか」、「なぜ現金を扱うときのほうが正直になるのか」、「ビールと無料のランチ」、何度でも繰り返し反復したいなあ。めっちゃオススメ!(^u^)