「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜伝説のDVDの活字化!…『自己プロデュース力』(島田紳助)

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

このブログを始めて、早や1325日目、三年になる。(^v^) 自分が本当に「いいなあ!」「感動したなあ!」というものだけを集めて書いている(つもり)。し、しかし、過去、これだけは紹介できない、紹介したくないというモノがあった。これだけは、自腹を切って、買って、自分の目で確かめた方がいいというモノ。それがコレ、DVDの紳竜の研究」


紳竜の研究 [DVD]

紳竜の研究 [DVD]


あまりに、中身がスゴ過ぎて、深すぎて、3年前に買ってから何度も何度も見ました。これはすべてのビジネスにも通用する内容だと思うし、安易に紹介しない方がいいとも思っていた。


し、しかし、この伝説のDVDがナント、書籍化されたのだ!これがその本。なんでも、吉本の編集部が紳助に何度も何度も、要請と説得の結果、出版の承諾を得たものなのだ。これも本当は取り上げたくないのだけれど、少しだけ紹介しちゃおう。特別だよ!



この世の中はすべて才能です。別に漫才に限らず、どんな仕事もね。そして才能は生れ持ったもの。今日の授業をどんなに熱心に聞いたって、僕の才能を君たちにあげることはできません。だけど、努力の仕方を教えてあげることはできます。例えば、才能に、通知表みたいに五段階あったとしましょう。そして、努力にも。もし5の才能人間が、5の努力をしたとしたら、5×5=25で最高の結果がでます。ただし、5の才能を持っていても。1の努力しかしなかったら、5×1=5でたいした結果が出ません。ひょっとしたら5の才能を持っているのにもかかわらず、努力の仕方が間違っているばかりに結果が出せない人がいるかもしれません。あるいは、3しか才能がなくても、5の努力を知っていれば。もっと上に行くことができるはずです。


・僕がまずしたのは、「教科書」をつくることでした。漫才には教科書がない。だからこそ、僕は十八歳でこの世界に入った時、自分で教科書をつくろうと思ったんです。「これで勉強したら、絶対売れる」という「教科書」を。僕は自分が「オモロイ!」と思った漫才師の漫才を、片っ端からカセット・テープに録音していきました。それを今度は繰り返し再生して紙に書き出していく。書きだすことで、なぜ「オモロイ!」のかが段々わかってきたんです。そして、教科書が出来あがった時、僕は相方を探し始めました。


「自分たちのターゲットは20歳から35歳の男だ」というもの。これは、竜介とコンビを組んだときに教え込んだことのひとつでした。今はお笑いも細分化されている。でも、僕らの時代は違いました。「漫才は子どもからおじいちゃんおばあちゃんまでも笑わさなければいけない」「誰でも笑わすことができるのがいい漫才」という定義があって、そう教育されてきました。でも僕は「これからはそうじゃない」と教科書を書き換えた。「老若男女を笑わせようとするのはもう古い。僕たちは一部に強く支持される漫才をしよう」と。


自分たちが誰を笑わせたいのか、どの世代のどんな人なのか、そのためにどんなネタをつくるのか、というのが、まず最初に考えるべきこと。そのためには、とにかくたくさん漫才を観なくてはいけません。そして「面白い!」という漫才には大きく分けてふたつの種類がある。ひとつは、「面白いけど、自分にはできないな」というもの。もうひとつは「これ、俺と一緒だ」というもの。「これ、俺が友達を笑わす時のパターンだ」「普段、俺が人を笑わす時の喋り方だ」というね。前者はいくら研究してもしようがない。後者のように自分と近い「これ、俺と一緒だ」と思う漫才をいくつも発見していくことで自分のやれること、やるべきことがはっきりしてくるというわけです。


・僕がよく言うのは、「X+Y」でものを考えろ、ということ。「X」は自分の能力。自分は何ができるのか。これは自分にしかわからないのだから、自分自身と向き合って必死に探すしかありません。「Y」は世の中の流れ。これまでどんなことがあって、いまどんな状況で、どんな風に変わっていくのか。これは研究することでわかってくるはず。僕もこれまでたくさんの仲間を見てきたけど、この「X」も「Y」もわからずに悩んでいる人ばっかりでした。この「X+Y」の公式は自分たちでつくらないといけないんです。


・お笑いの世界でも一発屋がいる。あれはたまたま「Y」の方から「X」にぶつかってきた。一発屋は衝突事故のようなもの。でもそれで終わりです。「Y」はすぐに動いていってしまうから。もって二、三年がいいところ。売れ続けるには、常に「X」と「Y」がぶつかっていかなければいけない。そのためには、動いていく「Y」に合わせて、「X」を変化させなければいけないんです。この公式は、長くやっている人なら必ず持っています。言葉では説明しないけど、頭の中にはちゃんと入っているんですね。


・僕が気付いたのが、「上手い」と言われる人たちの漫才には「間」が多いということでした。普通の漫才が一分間に十いくつの「間」だったとしたら、上手い漫才は一分間に二十は「間」があるんです。上手い漫才をやりたければ、「間」をつくればいい。でも当時、僕たちには「間」をつくる技術も、それを習得する時間もありませんでした。もう一つ重要なことは玄人から「上手い」と言われる漫才と、お客さんが「面白い」と思う漫才は違うということ。それなら「ヘタクソ」と言われたってウケればそれでいいじゃないか。そこで考えたのが「間」を極端に少なくすることでした。そして当時、同じことを考えていたコンビがB&Bツービートです。


・次は「タレント」として売れるにはどうしたらいいか?という「極秘の話」がひとつだけあるんです。これさえ知っていれば売れるというね。これは、本当は教えたくなかった、テレビタレントとして売れるための「極秘のトリック」 〜中略〜


・知っていることが一分野で一箇所でも、人より深かったら、「何でも知っている」と人は勝手に思ってくれる。これがポイントなんです。タレントなんて頭悪いし、時間もないし、努力するのも嫌いだし。じゃあ、どうしたらいいのか?もう、これはほとんどペテンをやるしかないでしょう。一分野につき一箇所を掘り下げて、全部知っているような顔をすればいいんです。全部を知らなくてもいい、細部を熱く語るというトリックです。
そしてもうひとつ。否定する技を持つんです。それが話に説得力を持たせてくれますから。 〜中略〜 目の前の屁理屈に騙されて、その奥の無知には目がいかない。不思議なものです。


「心」で記憶するんです。本で読んで「頭」で記憶しただけでは、すぐボロが出ます。僕たち喋り手は、本を読んで「頭」で記憶するのではなく、実際に体験して「心」で記憶しなくてはならないんです。「頭」で記憶したことはすぐ忘れます。「心」で記憶したことは一生忘れません。「心」で記憶するコツは何なのでしょう。これも才能なんだけど、ひとつに感情の起伏が激しくないといけないいつでも、「感じ」なければいけない。いつでも「感じ」られるよう、「心」を敏感にしていないといけないんです。「心」で記憶できるようになるには、やっぱり遊ばないといえません。「遊ぶ」というのは、色々なものに興味を持って、ウロウロすること。もっと言ったら、ヘンな奴でいること。



「心」で記憶したことを喋ると、映像が見えます。上手い喋り手が話しているのをみんなが「うん、うん」って聞いているでしょう。あれは、耳で聞いているんじゃなくて、同じ映像を見ているんです。「脳」で記憶してことを喋っても、映像は見えてこない。同じ映像を見ているからこそ、人は共感するんです。


…その他、「なぜ店を経営するのか」、「M−1で勝つための方法論」、「君たちには十億円の価値がある」など。紳助流の成功哲学が満載。これは座右の書になるだろう。絶対おススメ!(^<^)