- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2003/04/16
- メディア: 新書
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BOOK〜ビックリするくらい人間関係がうまくいく本!…『偏愛マップ』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20100816
「偏愛マップ」にも紹介されていたのが、この本。センセイが生み出した「マッピング・コミュニケーション」について書かれているんだけど、簡単なようでなかなか深いのだ。そのエッセンスを紹介しよう。
・「言いたいことが伝わらない」「相手からレスポンス(反応)がない」「話す機会を与えてもらえない」ストレスの原因の大部分は、コミュニケーション不足、コミュニケーション不全からきている。話によるストレスは、根本的には対話力の向上で解決するしかない。
・対人関係でストレスを感じる人が増えている反面、コミュニケーションを中心としたビジネスは大成功している。携帯電話しかり、メールしかり。カフェしかり。日本はコミュニケーション欲が噴出しているようだ。
・コミュニケーションには三種類ある。
A 非常に親しい知人や仲間との会話をするプライベートな場
B 職場や学校といった、ある目的を持って集まる半フォーマルな場
C 初対面の人や電車や講演会といった場での、パブリックなコミュニケーション。
特に、このBでのコミュニケーション不全が最大のストレスの温床となってるようだ。この半フォーマルな場での対話力をつける練習が、プライベートでの自分を育て、より高度なコミュニケーション力の獲得につながる王道だと考えている。
・上下関係はコミュニケーションの円滑さを奪う錆びのようなものだ。錆びを取り、潤滑油をさせばもっとスムーズな会話が楽しめるのではないか。
・自分の言葉が相手に届いている、受け止めてもらっている。その実感があると、ストレスは格段に減る。対話でストレスを減らす第一のコツは、自分が聞き役になったときには必ずうなずいてみることだ。
・マッピングというのは私の造語で、思考の過程を、地図を描くように紙の上に置く、つまりマッピングしておけば前の話でも、すぐに相手に提示できる。これがマッピング・コミュニケーションだ。ただ、話しているだけだと、言葉イコール思考は宙に舞うことが多く、なかなか蓄積していかない。そこで、マッピングは思考の過程をいったん紙の上に定着させておくので、目の前の問題に集中できる。非常に身動きの軽い状態、回転のいい状態でコミュニケーションできる。
・具体的なやり方を紹介しよう。まず白い紙と三色ボールペンを用意する。赤は「すごく大事(客観的に最重要)」、青は「まあ大事(客観的に重要)」、緑は「主観的に面白い」。三色を使うことで、会話の最中にメリハリをつけ、思考を活性化させていくのだ。終わった後で、どのキーワードが一番重要かを判断するのではなく、会話の最中にある程度判断しておくことで、会話のプロセスがよりはっきりしてくる。また三色が視覚的にも刺激になる。
・紙とボールペンを用意したら、次に二人一組になって、紙を頂点とする直角三角形のポジションをつくる。このポジショニングというのは非常に重要で、会議などでこの位置に座ってもらうと二人の関係は劇的に変化する。対面式とははまったく違う、ある新鮮さを持った関係になってくる。
・大学の教職課程の授業の一環として「名前覚えゲーム」というのをやっている。簡単にいうと、初対面の人同士で名前を覚えてもらうためのゲームだ。自分の名前、好きな(公的)人物の名前、次に自分の趣味や特技。この3つの項目をほかの人と言い合ってお互いに記憶してもらう。
・大学の授業で十五秒プレゼンテーションというのをやってもらっている。自分のオススメの本や映画をあらかじめ考えてもらう。みんなで円になって、一人十五秒の持ち時間で紹介してもらう。一分間で四人の人間が発表できる。
・おもしろい映画を観たり、おもしろい本を読むと人に話したくなる。友人とおもしろさを共有したいという思いもあるが、もう一つには、自分がその作品を反芻したいからではないだろうか。反芻することで、もう一度味わいたい。反芻すること自体がまた快感になるのか、いつのまにかその体験を反芻していることがある。物事をかいつまんで説明する要約力は実社会の中で必要な力だ。好きな映画や本の内容などを友人に話すことによって、この要約力はついてくる。
これ、面白そうだね。早速使ってみよう。( ..)φメモメモ