「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜医療現場のコミュニケーションとは?…『言葉で治療する』

言葉で治療する

言葉で治療する

私は過去、事故とケガで入院の経験が3回ある。意識不明の重態になったこもあるし、19歳の時には事故で顔をつぶしてしまって、三回の顔の形成手術をした。いまではパッと見は分からないがよく見るといまでも無数の傷や手術痕がある。今でも覚えているのが、2回目の顔の手術の時に、執刀医師が言った言葉。「うわ〜!ひでえなあ…、こりゃあ。…どうするかな…」オイオイっ!(>_<)部分麻酔だから聞こえてるって!!!


この本は週刊誌で読者から募った「医療者によって傷ついた言葉、励まされた言葉」を中心に、医療者と患者とのコミュニケーションのあり方を探っている。著者は、『がんばらない』『あきらめない』などの著書で有名な鎌田實医師。

「なぜ、お医者さまたちは、患者や家族の感情を考えずに、自分の思ったことをストレートに言ったり、感情をそのままぶつけたりするのでしょう。医師としても、まず人としての基本的なコミュニケーション能力が欠けているように思えてなりません」という言葉から始まる。そのエッセンスを紹介しよう。


・病にかかったとき、患者さんと家族は医師や看護婦からかけられる言葉しだいで、治療を受ける日々が天国にも地獄にもなる。患者側は医療者の無自覚な言葉に心を痛めたり、逆に医療者のあたたかな言葉にとても励まされる。見渡すと、教育現場、職場、家庭などでもコミュニケーション能力が落ちている。なんとかしたいと思った。まずは医療と介護のなかの「言葉」にこだわってみようと思った。


・ぼくは緩和ケア病棟を毎週回診している。そのとき、付き添っているご家族に声をかけるようにしている。「おつかれでしょう」とか、「よく看てあげていますね」とか、「あなたがいるから、私たちも安心です」とか。「奥さんは幸せですよ。こんなによく看てくれているご主人ってそうはいないですよ」とか。患者さんの周りにいる人に、ちょっとした一言。これが大事なのだ。言われたご家族もうれしそう。それだけではなく、患者さん自身も、そういう医師や看護師に信頼を寄せる。病棟全体が明るくなる


疲れ切った医師たちが、コミュニケーションを断ち切ろうとしているように思えてならなかった。コミュニケーションにとってもっとも大切なことは、聞くことであることだ。聞くということは、言葉を受け止めることだ。医師たちが面倒なことから逃げていることに気がついた。


「我慢しなさい」と命令されるのと、「つらいよね」と共感されるのでは、大きく違う。共感されたと感じた患者さんは、医師の言葉に聞く耳を持つのである。医師がまず言葉を受け止めることによって、今度は患者さんが、医師の言葉を受け止める心を準備できるのである。


・医師から患者さんへ、先生から生徒へ、上司から部下へと、上下関係の上のほうから下のほうへ、強い側から弱い側へ、一方的な言葉の投げかけが、現代という時代は多いと思う。、競争社会では、相手と意見が違えば、それに負けないように、論理性を高めていくという方法ばかりが強調されてきた。しかし、他人を押しのけて、自分の意見ばかりを主張していく社会というのは決していい社会ではない。


・糖尿病の一番大切な治療は生活指導である。飲み薬や、インシュリン注射もあるが、まず言葉で治療する、そして生活習慣を変える。医療は言葉が大事である。言葉を大事にして、大事にして、大事にしながら、最後に言葉を超えるところに医療の魅力がある。まずは、今は、何が何でも「言葉が治療する」と信じて言葉を大事にする必要がある。


・聞くことに重点を置いて会話をしていくと、だんだんとお互いが納得し、合意に近づく。言葉の投げかけが一方的からだけにならないように、お互いが意識することが大事だ。とりわけ、最初に弱い側、つらい側が投げてくれた言葉やサインを受け止めることが大事だと思う。「聞く」ことから医療の現場も、教育現場も、親子の関係も、職場も、もっといいものに変わっていくはず


・会話のときの位置関係も大切である。ベッドに寝ている患者さんに、こちらが立っていると、患者さんが医師を見上げるかっこうになり、上下関係ができてしまう。医師が椅子に座ると、患者さんとの関係が近いものになる。それだけでも話しやすい空気が作られるのである。


・魔法のような手技があるとすれば、それはコミュニケーションという魔法の杖ではないかと思う。直す力は本人の中にある。コミュニケーションを通して、本人自身が気づくだけ。自然と自分で治る方向へ向いていくことが大事なのだ。病気は、そうやって、治るものは治っていく。ちょっとした一言でけっこう多くの人が救われている。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、「医者もまた言葉を扱う人間である」と述べている。心と体をつなげているものは言葉ではないだろうか。心と体をつなげることを、言葉が少し援助してくれるのではないか。


ん〜!ナットク!(゜_゜>) ウチ(SA)のコミュニケーションスキルも、ドクターや歯科医師、看護士さんも一部採用しているけど、もっと普及させなきゃ!