「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜珠玉のイチロー本!…『イチロー・オン・イチロー』

イチロー・オン・イチロー―Interview Special Edition

イチロー・オン・イチロー―Interview Special Edition

野球界のスーパースター・イチロー。ここでも何度かイチローを紹介してきたよね。(^−^)


BOOK〜目標を達成するための思考法…『イチロー頭脳』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090320

BOOK〜至高の頭脳が自然と身につく…『イチロー哲学』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090319


数々のイチローは、ほとんど読んでいるのだが、この本は一味違うのだ!著者の小松成美氏のインタビュー技術の力なんだろうけど。どこが違うのかというと、イチローの知られざる苦悩を、そして球界最高の技術を、一般の人にわかりやすい言葉で何とか伝えようとしている点だ!あのイチローの知らない一面が見える。そのエッセンスを紹介しよう。(^◇^)


1994年突然現れた20歳の青年、イチロー野球界前人未到の210本安打を達成した。それからパ・リーグで7年連続の首位打者を達成したのだ!

しかし99年のイチローのインタビュー。実は、あの94年の翌年から一刻の安堵も手に入れられないほどにもがき苦しんでいたのだ。


「この4年間、実力の半分も出すことができなかったと思っています。首位打者になっていますが、それも、もがき苦しみながら力を搾り出すようにして戦った結果だった。苦しくて苦しくて、何度も崩れ落ちそうになりましたよ。今やっとその暗闇を抜けたところなんです。ようやく、自分の野球ができる状態がつくれました」

そんなイチローがターニングポイントになった99年、劇的な変化があったという。

「99年シーズン序盤に打撃に関する確信を得たんです。僕が探していた「ある感覚」をつかめました。それは僕にとって決定的なことで、二度と失うものではない。だからこうして言葉にできるんですよ。本当に劇的なことでした」


「確かに7年連続首位打者獲得という記録は誇れるものだと思っているし、自分でもよくやってきたなという実感もある。だけど自分自身で納得できたのは1年目の94年、99年、2000年の3年間だけです、95年から98年までの4年間は苦しみぬいてあの記録を築いていたんですよ。それを知っている人は少ないと思いますけど。もう、ボロボロでしたよ。苦しくて何度も崩れ落ちそうになっていた。これが精神的な苦痛や心の落ち込みだけだったらセルフコントロールもできる。しかし、僕が苦しんでいたのは打撃における技術でしたから、気持ちを切り替えるようには解決策が見つからない。迷う中でベストを尽くし、持てる力を絞り出すように戦っていました。それで残せた数字が結果的に、打率で一位だったということです」


「そして99年4月11日、日曜日、ナゴヤドームでの西武戦です。9回西崎さんにボテボテのセカンドごろだったんですが、次の瞬間、嘘のように目の前の霧が晴れていったんですよ。「ああッ、これなんだ!」と思いました。これまで、探し求めていたタイミングと体の動きを一瞬で見つけることが出来た。それをあやふやなイメージではなく、頭と体で完全に理解することが出来たんです」


「とてもおかしな感覚にとらわれていたんですね。僕の中のセオリーでは、あの打席は絶対にボールを捉えていたんですよ。かなり高い確率でヒットになるはずだったんです。でも、現実にはそれが単なるセカンドゴロになっている。イメージと現実に差が生じている。僕はすぐに答えを探しました。方程式をとくようにして。そうしたら、はっきりとした解答が見つかったんですよ。こんなにも明確な解答を手に入れたのは、僕の野球人生の中で初めてだった。飛び上がりたいほど、嬉しかったですね」


「これを話すのは凄く難しいですね。僕の個人的な感覚だからだいたい、僕の打ち方は普通じゃないですから、僕以外の人間に説明することが出来ないんですよ。うーん、どうやって説明すればいいかな……。本当に難しいんですよ。要するに打席に立ち、ボールを打つ瞬間に生じる狂いを調整する体の使い方なんですよ。上半身と下半身にポイントが一点ずつあるんですが、狂いを調整するためには下半身の使い方が重要なんですね。まあ、下半身の動きを具体的に言えば、右足の使い方と踏み込んでいく角度かな。この角度に狂いが生じてしまうと、球をしっかり捉えたつもりでも凡打になってしまうんですよ。」


「数センチまでいかないでしょうね。数ミリかもしれないです。見た目にはまったく同じフォームに見えても、微かな誤差が生じることがあるんです。これまた難しいんですけどね。分かりやすく言うと、長くボールを見る動きと、インパクト力を集める動き狂いが出てしまう、ということです。僕の理想的なバッティングは、目に見えないほどの誤差があっても実践不可能です。だからこそ誤差を修正するセンサーを持たなければならない。あのセカンドゴロは、そのセンサーを呼び覚ましてくれたんです。それで、誤差の修正を可能にする特別な感覚を得られました。このことは、この上ない幸運だったと思っています。」


「(99年4月以降、打率が急上昇して)あのセカンドゴロをきっかけ明らかに変わりました。試行錯誤の時期はあったけど、再び明かりが灯らないトンネルの暗闇に閉じ込められるようなことは、もうないです。二度と迷わなくていいわけですから、不安に陥ることもないですよ。98年までは首位打者になっても常に数字(打率)追いかけられている気分だった。でも99年からは違ったんです。数字すらも視野に入れてプレーできるようになりました。今は、ストライクの70%ぐらいは捉えられると思いますよ


ん〜!言葉にならないくらいスゴイなあ!(・。・)自分の身体に染みついている感覚を言葉で伝えるってムズカシイもんね。もし、将来イチローがコーチ、監督になった際には、このテクノロジーを後世に伝えられることができるかもね。
それから、この本には影で支えている弓子夫人のインタビューも取り上げられている。家庭人・イチローも感じ取れるよ!おススメ!(^◇^)