「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜お笑いの天才!…『哲学』(島田紳助 松本人志)

哲学 (幻冬舎よしもと文庫)

哲学 (幻冬舎よしもと文庫)

以前ここでも取り上げた、二人のお笑いの天才、島田紳助松本人志。(^−^)


BOOK〜伝説のTV番組、ついに文庫化!…『松本紳助
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20090909


先輩後輩の関係ながら、お互いを尊敬し合う二人のお笑いの「哲学」というか「こだわり」を存分にしかも真面目に語った本。へえ〜!の連続!( ..)φメモメモ そのエッセンスを紹介しよう。


・(松本)…紳助さんはお笑いの化け物というか、喋りの化け物だ。まず第一にあの人の頭の回転の速さだ。僕なんかはコンビなので、休む暇がある。浜田が喋っている間に、考える時間が多少ともある。ところが、あの人の場合はずーっと喋っている。大阪の番組なんかでは、一人で三時間くらいぶっ続けで喋ってる。しかもそれがムチャクチャおもしろいあの人の天才的な笑いの感性を、世の中の人はまだまだわかっていないと思う。あの人の凄さを、もっとみんなにわかってもらいたい。


・(紳助)…そんなふうにいわれると、照れる。たしかに僕が、三時間でも五時間でも喋り続けることができるのは事実である。けれどそれには条件がある。客に向かってはダメ、プロを相手にしているときだけ。本来、僕はマニアックなタレントなのだ。笑いということにかけては、慎也番組とかでほんの少数の視聴者相手に真価を発揮するタレントなのだ。僕の笑いは、かなり計算されているのだ。計算し尽くして喋っている。しかし、計算して時代に合わせているからこそ、その分インパクトが弱くなる。

しかし、松本は違う。あいつの場合は時代に合わせようとしていない。僕とは笑いに対する喜びが違うのだ。僕は時代を読んで、その読み通りに自分の作った笑いが受け入れられることに喜びを感じてきた。ところがあいつの場合は、物理学者か何かのように、ノーベル賞でも取ろうとしているんじゃないかというくらい。、純粋に笑いというものを突き詰めていく


・(紳助)…紳助竜介の漫才の最大の武器が、島田洋七さんの機関銃のような速いテンポの喋りだった。喋りの『間』の数を減らして減らして、一人が喋る時間をできるだけ長くして、僕たちはあの速いテンポを作り上げていったのだ。そこに至るまでは、かなりの苦労もしたつもりだ。ところが、ダウンタウンの漫才には、その早いテンポがなかったのだ。野球でいえば、チェンジアップばっかりだ。スローボールで相手の打ち気を外して、外して、外して…そんな高度なテクニック。ぼくらは、相手が考える前に、ボンボン、ボンボン、胸元に投げていく漫才だった。それに対して、ゆっくりゆっくり外すという、なんと高度なテクニックを持った若手が出てきたのか、と。「俺たちの時代は終わりやな」それから、五日後に紳助竜介は解散した。


・(松本)…紳介さんほど、独自の世界観というか、わかりやくすくいえばものすごくがっちがっちの自分の哲学を持っている人は珍しい。自分のラインというものが決まっていて、絶対にそこから出てこっちへ入ってくるということがないのだ。


・(紳助)…松本とやってて楽しいのは、ストレートも変化球も織り交ぜて、全力投球でボールを投げられる。フォークを投げてワンバウンドしても、きっちり受けてくれる。その安心感がある。


・(松本)…そもそも芸能人というものは、才能がなかったらこの世界に入ってきてはいけない。そして、その才能を思う存分発揮したら、辞めるべきだと僕は思っていて、その考えは今も変わっていない。僕の山のてっぺんには、僕しか登れない。誰かの後を追うんじゃなくて、それぞれが自分の中の何かを、自分の山をみつけることが出来れば、その人はAチームに入れると思う。すべてはそれを見つけられるかどうかにかかっている。


・(紳助)…十八歳で師匠に入門した僕は、自分で『漫才教科書』というものを作っていた。その裏表紙には一千万と書いてある。それだけの値打ちのある教科書だという意味なのだが、その何十倍もの価値のあるものだった。洋七さんの漫才を徹底的に分析して書き残したのもそのノート。まず、B&Bの漫才をテープに録って、それを全部紙に書き出す。それから、その漫才がなぜおもしろいのか、他の漫才とどう違うのかということを分析していく。そうすると、ひとつのパターンが見えてくる。洋七さんだけではなく、先輩の芸人さんの舞台を細かくチェックして五段階評価していたのだ。


さすが!二人の表現力とボキャブラリー!この本は深いよ〜!おススメ!(^◇^)