- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 82回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/071119.html
このブログでも何回か紹介した『カンブリア宮殿』その続編。テレビもいいんだけど、本もまたグ〜!(エド・はるみ風に…)(*^_^*)
各企業のトップが出てくるので、業界の最先端情報や、困難にぶつかったときにどう乗り越えたのかなどの生々しい話が聞けるので、ポストイットを片手に読む私は、この本は付箋だらけになってしまった。( ..)φメモメモ そのツボとコツを紹介しちゃおう。
・伊勢彦信(イセグループ会長・卵業界をを変えたエッグキング)
『愛情という言葉は適切ではないとは思いますが、何となく同じ遺伝子で私の体と鶏ができあがっているんじゃないかな』
『嫌なものはやめたほうがいい。ただその一番の基本は、「あなたは本当に嫌だと思うほどやってみたのか?」ということです。だから一度、真剣にその仕事をやってみて、どうしてもその仕事は向かない、こんな仕事をして人生がもったいないと感じた時は、思い切ってパッとやめなさい』
『株式会社ポケモンはポケモンのことしか考えない会社ですので、まさしくそのポケモンの人気がなくならないように、どういう努力をするのかというのが存在理由になります。』
・小林豊(小林製薬社長)
『生命線ともいえる新商品のアイデアは、社員全員がアイデアを提案して新商品開発に生かしています。寄せられるアイデアは年間15,000件、中には年間300件以上出すつわものもいます。ウチの強さの秘密は、絶えず考え続ける一人ひとりの社員にあるのかもしれません。』
この本の中でも一番感動したのは、吉野家の安部社長のコメントだ。(^^♪
・安部修仁(吉野家ホールディングス社長)
『判断に迷ったとき、僕はなるべく長期的に考えて、イメージとしては3年後とか5年後の自分から今を眺めるようにするんですよ。そうするとリアルタイムでは、「こっちのほうが楽だな」と思うとは違う選択を要求する未来の自分がいる、という感じがするんです。どちらかというとそちらの方が間違いが少ない。』
司会の村上龍氏はこういう。
『アメリカ産牛肉の輸入がストップしたとき、私は吉野家は潰れるだろうと思った。多くの人がそう思ったのではないだろうか?牛丼一筋の店に当の牛肉が入ってこなくなるのだ。国産またはオーストラリア産牛肉を使うという選択肢もあったら、それでは吉野家の牛丼ではなくなると判断した安部氏は主力商品をあきらめ別メニューに賭けることになる。
安部氏が危機を見事に乗り切った最大の要因はなんだったのだろうか?それは「徹底して顧客の側に立って考える」という経営の基本とも言うべき考え方ではなかったかと私は思う。吉野家の牛丼は、ゼロコンマ1ミリ単位で試された肉の厚さ、つゆの濃さや甘さなど、長年にわたる味の追求と顧客の反応のリサーチによって、ほぼ完璧なものに仕上がっていた。しかもそれはアメリカ産牛肉でなければ維持できなかった。だからその味が出せなければ顧客はがっかりして結局離れていくと安部氏は考えたのだ。』
そうだよね〜!よく考えてみたらスゴイ状況だよね〜。
もし、SMAPからキムタクと中居くんがいなくなったら?ディズニーランドからミッキーがいなくなったら?味噌ラーメン専門店から味噌がなくなったら?
あの時の安部社長の決断は、私も正しかったと思う。やっぱり、牛丼は吉野家だよね〜。(^^♪