「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「神田松之丞 講談入門」(神田松之丞)

  


神田松之丞 講談入門


今年の夏に寄せで、ナマで見てすっかり夢中になった講談界のホープ神田松之丞。(・∀・) 最近は、テレビにもよく出るので、彼によって講談に興味を持った人も多いのではないだろうか!?(・∀・)


その神田松之丞が案内する深くて豊かな講談の世界。松之丞全持ちネタ「演目解説」人間国宝一龍斎貞水が語る講談史など。ファン必携!そのエッセンスを紹介しよう。


幕末から明治にかけて隆盛し、大正には時代遅れと言われていた講談。最盛期には200軒以上あったとされる講釈場は、現在は一軒もありません。江戸だけで講釈師は当時800人いて、あらゆる名人上手がしのぎをけずっていたそうです。その全盛と比べれば、今の人気はまだまだで、大勢の人が講談をよく知りません。ただそれは縁がなく、たまたま知らないだけで、聴いてくだされば、こんなに面白い読み物があり、多くの個性豊かな演者がいるのがわかっていただけると思います。



「講談って何?どこから入ればいいの?もっと知りたい。入門編の本が欲しい」私は落語に最初にハマったとき、ありとあらゆる落語入門の本があって、どの本を買えばいいのか迷いました。一方、講談はいくら探しても、そういう入門本がない……「えっ、ないの」と、ひたすら困ったことを覚えています。演者としてこの問題に直面したときに本書を企画することになりました


落語は基本的にフィクションだが、講談はノンフィクションである、ただしノンフィクションでも脚色は自由ということだと考えています。一応史実とされている事象を「過去にこういうことがありました」と読んでいく。宝井琴調先生は、「講談はドキュメンタリーで、落語はホームドラマという言い方をされていて、それが一番わかりやすいと思います。


立川談志師匠が「落語は人間の業の肯定である」と明確におっしゃったように講談とは何かひところでパシッと言った人はあまりいないんです。神田愛山先生は「講談ってのはダンディズムだ」っていう言い方をされています。


・ほとんどの講談師が『三方ヶ原軍記』という読み物を最初に習います。最初に覚えるものがそこまえ決まっているのは、落語と講談の大きな違いのひとつですね。落語だと流派によって覚える噺が違いますが、講談はみんな『三方ヶ原』。その理由は明確で、まず大きな声を出すという訓練です。あとは「頃は元亀三年壬申年(みずのえさるどし)……」といった講談の七五調のリズムを身につけるため。それから張扇の打ち方をつかむ。うちの師匠には「張扇を叩いたときだけ息継ぎしていい」と教わりました。


・また『三方ヶ原』はすごく稽古が必要なんですよ。一言一句覚えていかなければならないので、お客さんの前で絶句しやすい。言葉が出てこなくなっちゃうんです。だから、どこまで記憶したらお客様の前でできるかということを教えてくれる話でもありますね。


特に、「松之丞に聞く、講談の基本」「松之丞全持ちネタ解説」「松之丞、人間国宝一龍斎貞水に講談の歴史を学ぶ」「松之丞が語る、過去・現在・未来」など。



  


神田松之丞 講談入門