「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「柿の木のある家」(壺井栄)

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柿の木のある家

柿の木のある家

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ワタシが生れた新潟県十日町市松之山の実家。当時築100年の古い家で祖父母、父母、兄弟三人の7人で住んでいた。そこに、牛ちゃんが2頭、ニワトリちゃんが200羽が同じ屋根の下で住んでいた。昭和40年代前半のこと。
 
家のそばに柿の木があった。熟れる季節になると祖父や父が穫ってくれた。この柿が好きでねえ。だから今でもトロピカルフルーツは論外、イチバン好きな果物は柿なのだ地産地消。やっぱり自分が生まれた土地で昔から穫れたモノがいいよね。
 
さてこの本。タイトルだけで郷愁にひたってしまう。小学校の教科書に載ったハナシで、いまでもそのストーリーが心に残っている。作者は二十四の瞳』『母のない子と子のない母と』壺井栄。五十年振りに読みました!感動、感動、また感動っ!続編があるとは思わなかった。
 
「フミエと洋一の家には立派な柿の木があります。日照りが続いたときも甘い実をつけるおじいさん自慢の木です。そんな家に双子の男の子が産まれた騒動を描く」そのエッセンスを紹介しよう。
 
フミエと洋一の家の裏に大きな柿の木が一本あった。それは子どもの一かかえもあるほどりっぱな木だった。家族や親戚が毎年秋になるとその柿を楽しみにしていた。
 
「うまい。まったく、うまい。柿はくだものの王様だからな。とくにこの柿はな」
 
ところがおじいさんがふとしたところで大きい石を柿の木の根元に置いてしまい、なぜかその年は実をつけなかったのだ。
 
おじいさんがわることをしたのじゃ。ついうっかりと、考えもなしにここへ石をおいたために、今年は柿が一つも実をつけとらん。柿じゃってよっぽどつらかったんだろうよ。かわいそうなことをしたわい」
 
そしてその後、おじいさんは亡くなってしまう……。
 
初めて読んだときもそうだったけど、新潟の風景が、小野塚家の先祖代々の家族のことが思い浮かぶ。ジーン……ああ…いいなあ…。そして続編で双子がうまれたことでこのストーリーは続くのだ!
 
便利な世の中になったけど、100年くらい前の日本ってこんな感じだったんだよね。家族の関係も食生活も。ずっと読みつがれていってほしい本です。オススメです。(・∀・)
 

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柿の木のある家

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「愛とまぐはひの古事記」(大塚ひかり)

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「まぐはひ」は「性交」と言いたいところだが、このまぐはひという語、一筋縄ではいかない。「目合」を「まぐはひ」と読む人は目と目を見合わす意から性交の意になった」という説を唱え、読まない人は「目とは関係なく、性交を表す特殊語」と唱えることが多い。
 
・漫画家の江川達也セックスの真髄は見つめ合うこと。目と目を見合わすことにある。だから『まぐはひ』は『目合』と書くんです。平安時代の貴婦人にとって、目を見られるというのは裸やアソコを見られるのも同然の恥ずかしいことだったんじゃないかって。で、成人すると兄弟にさえろくに顔を見せず、夫にだけ見せていた。男と目が合っただけで前戯みたいな。でも目と目を見合わすセックスって、男女の信頼関係がないとできないんだよね」

 

確かに!愛がなければ見つめ合うってないもんね。……最近、見つめ合ってないもんなー!(笑)古代に想いを馳せて、読んでみたらいかが?オススメです。(・∀・)

 

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「哀愁のストレート もっと速い球を!」(村田兆治)

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昭和40年代後半から50年代のプロ野球パ・リーグのエースといえば、近鉄鈴木啓示、阪急の山田久志、太平洋の東尾修日本ハム高橋直樹、そしてロッテの村田兆治だよね。なかでもマサカリ投法の村田、好きだったなあ〜!♪
 
「51歳にしてストレート142キロ、まさかり投法のあくなき挑戦。その驚異の肉体と精神の秘密とは? テレビやスポーツ紙では決して見えてこない、プロ野球投手の本当の醍醐味を凝縮した1冊」そのエッセンスを紹介しよう。
 
・テレビの挑戦番組でたまたま投げる機会があって、ストレートで142キロが出た。(51歳)そのときスタッフが村田さん、今もまだ投球練習をなさっているのですか」と聞いてきた。もちろん、練習などやっていないし、ボールさえも握っていない。引退して11年も経ち。練習もしていないのに、なぜ、そんなに早い球が投げられるのか、みんな不思議で仕方がないらしい。
 
・現役復活はありえないが、選手としてまだ何なりからの成績を残せるかという点だけでいえばそこそこの成績を残せる自信はある
 
・現役の頃からどんな場面に関係なく「投げる」からにはやりとげたい究極の目標を持って投げていた。すべての打者を三球三振で打ち取り、81球で試合を終える」若い頃は、打者にファールされてもムカッとしていた。バットにかすりもさせないで三振を取ることだけをいつも考えていからだ。
 
「一球目から最後の球まで同じ球を投げる」のが理想だ。これが投手にとって最も難しい。最初から最後まで同じような緊張状態を維持して投げることは想像以上に難しいものだといっていい。
 
暴投の日本記録、148個。おそらくこれからも誰にも抜かれない記録だと思う。17個のシーズン最多暴投、3個というゲーム最多、イニング最多暴投の記録まで持っている。ほとんどがフォークボールがワンバウンドになる暴投がほとんどだった。しかし、私はこれを恥じてはいない。敗戦の直接の原因につながる暴投は数えるほどしかない、失敗をおそれずにフォークボールを投げるという意味合いが強いけだ。
 
100勝くらいで終わる投手と200勝をあげた投手の決定的な差は何かといった質問を受ける。私が考えるに、それは、自分はこれでいいのだと自己満足しているか、そうでないかの差だろう。犠牲フライで一点取られたのが、どうして内野フライか空振りさせられなかったのだろうか」と考えるのかの差だと思う。ひとつひとつのプレーの積み重ねが野球だから、九回までいけば相当の点差になるし、一年を通せば勝ち星にも大きな差がでてくる
 
一度体で会得した技術は忘れない。若い頃覚えた知識を忘れていないのと同じだ。
 
・私が門田選手とのストレート勝負にこだわったのか。それは、自分の今の調子をはかるひとつの目安にしていたからだ。ナインの信頼を失うか、自信を自分につけさせてくれるか、ギリギリの状況の中で、あえてストレート勝負にこだわったわけだ。同じように、張本さんにも、相当の覚悟でのぞんでいた。イチローは怖いというより、イヤらしいといったニュアンスのほうが自分のイメージには近い。
 
ピッチャー論は、肉体論に行きつく。あるスピードがコンスタントに出るというのは、同じ投げ方ができるし、同じ筋力があるということだ。ピッチャーで難しいのは、去年はあれほどよかったのに、今年は悪くなったというようなことが、どうして起こるのかということについて、答えが簡単に見つからないところにある。
 
・今のプロ野球ではあんまり大記録が出ない。200勝投手も、福本さんのような106盗塁とかない。どうして大記録が出ないのか。記録を出せば、それを阻止しようということになって技術の高度化と向上につながっているからだ。投手も分業制だ。悪くはない。これからも小粒になっていく可能性もあるが、そういったものを凌駕するような圧倒的なスターが出てくる可能性だって否定できない。打者と投手の駆け引き、力対力の勝負。とてつもない大記録を見たいものだ。
 
・父の最期の言葉「兆治、おまえに、この右腕をやりたい…」兆治の“兆”とは、億の万倍の数を指す。つまりこの世で最高の男になってほしいという、父の大いなる願いが込められている。
 
・スポーツでもビジネスでも、人を相手とする闘いで、勝利と敗北、成功と失敗とを分ける要因は、攻撃的な精神と意地の有無ではないかと思う。
 
江夏の21球の場面で投げられた江夏がうらやましい」「投げるのが恥ずかしかった“まさかり投法”」など。

 

いいなあ。男、村田。こういう個性的な選手が少なくなったけど、出てほしいよね。野球ファン必読っ!オススメです。(・∀・)

 

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「遊ぶが勝ち!他人の時間を生きるな、熱狂して“いま”を生きろ」(堀江貴文)

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ホリエモンこと堀江貴文さんの本を読むのは、実質始めてかも。いいねえ、この力強い言葉が!まったくブレていないこの姿勢が惹きつけられるよねー!♪(・∀・)
 
「常識なんか捨て去って、レールから外れて、自分だけの考えに従って生きればいい!だから、今日から「行動」しよう。どんな小さなことでもいいので、毎日アクションを起こしていこう。昨日までの自分を超えていくために」そのエッセンスを紹介しよう。

 

僕が大切にしているものは明確だ。「時間」「自由」「情報」「健康」そして「遊び」である。そして、これらはすべてひとつにつながっている。僕にとってビジネスは遊びと同じだし、人生の時間をフル活用して、情報を狩りながら自由に生きることもまた、人生を遊ぶことに通じている。ひとことで表せば「人生を遊び尽くすこと」そう、僕は毎日が楽しくて、楽しくて仕方がない。なぜなら、人生を遊び尽くしているからだ。

 

時間は、あなたの「命」だ。時間さえあれば、いくらでも思考して行動できる。健康になるための準備や病気の予防もできる。時間があるからこそ、人生で本当にやりたいことをして生きることができるのだ。過ぎ去った時間だけは取り戻せない。これが人生の真実だ。限られた資源である時間を、自分が本当にやりたいことに注ぎ込むのだ。

 

時間には「自分のための時間」と「他人のための時間」がある。多くの人は「他人のひための時間」を過ごしていて自覚すらしていない。いまから人生を変える絶好のチャンス。今日から「自分のための時間」を少しでも増やして生きていくのだ。

 

「時間がない」「忙しい」という人は、いちど限界までぎっしり予定を入れてみることをおすすめしたい。まずは極限の忙しさになるよに、自分で自分を追いこんでみればいい。

 

信用した相手に裏切られてしまったら?それは簡単。相手を「許す」ことだ。すぐに相手を許し、湧き起こる怒りや恨みをすべて切り捨ててばいい。怒りや恨みに囚われると、もっとも大切な自分の人生が狂っていく。繰り返すが、時間は限られているのだ。

 

時間は人生で「やりたいこと」をするためにどうしても必要な資源だ。その原動力が「好奇心」である。僕は時間の次に好奇心を大切にして生きている。僕は好奇心だけは失わなかっただけで、刑務所での時間でさえもできる限り無駄にすることなく、自分のために使って生きることができた。

 

「失敗したらどうしよう」「まわりにバカだと思われるかも」そんなどうでもいいことを思って、二の足を踏んで時間を無駄にしてしまう。本来、悩むとうことは、「やりたいこと」があるということ。それなのにプライドが邪魔をしてしまう。みんな自分のことで忙しくて、他人のことなどなにも木にしていないにもかかわらず、である。

 

僕は、短期的な目標だけが意味があると考えている。「いつかやる」と思っていることなんて、絶対に実現しない。やりたいことがあるなら、いますぐにやらなければかなうはずがない。いますぐとりかからざるを得ない目標が、いい目標となる。「3週間で体重を3キロ減らす」というように具体的な数値を設定する。「立ち止まって考えることも重要」だとよくいわれるが、僕にとってそんな考え方は、先延ばしのための言い訳だ。

 

時間の無駄遣いの最たるものが「行動」しないことだ。イデア自体に価値はない。大切なのは「行動」することなのだ。「行動」しなければ、けっして価値は生み出せない。

 

・僕がやっている情報収集は、思考を「良質な情報」で埋め、いざ行動するときに「最適な方法」を選んでいるだけだ。大切なのは「どのように時間を使うか」を突き詰めること。判断に迷ったら時間がかからないほうを選ぶ。スピード重視が大前提だ。

 

僕には、ぼんやりしている時間がほとんどない。分刻みでつねになにかをしているし、スキマ時間を最大限に活用しながら、同時にいくつものタスクを処理している。時間がこそが命だ。この一瞬を楽しみ尽くし、いまに集中して生きるほかに区拾した人生を生きる方法はない。手に入れたいものは、いま手に入れよう。やりたいことは、いまやろう。時間は待ってくれない。僕たちには「いま」というこの瞬間しか与えられいない。もっと動こう。人生をとことん味わい尽くそう。いまに集中して生きよう。

 

僕は「思い出の品」なんて一切持っていない。スマホの写真データはただの記録であってモノではない。いつでも捨てられる。思い出に時間を取られないようにしよう。大切なものかもしれないが、いま幸せになるための時間と場所を、思い出に制限されてはいけない。あなたの自由な生き方を阻ませてはいけないのだ。

 

僕はいま、スマホや服などの最低限のモノ以外は完全に捨て去り、ホテルを中心に住んでいる。住居さえ持たずに生きている。モノを捨てるほど生活がどんどんアクティブになり、自分の目線が上がっていく。所有欲に振り回れてはいけない。モノへの執着から解放されたとき、あなたの不安は減っていく。それは“いまこの瞬間”に集中できるからだ。この驚くべき爽快な感覚を、ぜひみんなに味わってもらいたい。

 

そもそも人生なんて予定通りにいかないものだ。必要なのは、やはり“いまこの瞬間”を懸命に生きることではないだろうか。自分が本当に「やりたいこと」だけをして、目一杯楽しんで生きることではないのか。未来を考えることなど、なんの意味もない。

 

「合理的に考える」ことがもっと大切だということ。僕は、合理的に考えるだけで人生はうまくいくと思っている。仕事も生活もうまくいく。なぜなら「自分ではどうにもならないこと」や「どうでもいい心配事」や「他人のネガティブな言動」など左右されなくなるからだ。感情が欠けた冷たい態度なのではない。逆に自分やるべきことに合理的に集中したほうが、結果的に自分の「やりたいこと」でまわりの人に貢献し、多くの人を幸せにしていけると僕は思う。

 

・人生を思いきり楽しんで生きていくための方法は、人生を「遊び尽くす」ということだ。いまこの瞬間を遊んで生きる、そうすることでしか、たったいちどきりの人生を最後まで楽しく幸せに生き切る方法はない。


「人生のパートナーをたったひとりに絞る必要などない」「田舎を愛しているのではなく、親や友人にしがみついていないか?」「お金を過剰に信用すると、お金に使われる人生になる」「お金、結婚、人間関係、過去の思い出……。それらは執着となって、ポジティブな行動を妨げる」「成功の条件は、小さな成功体験を積み重ねること」「自分で情報を取りにいかない人たちは、ただ取り残されていく」「片っ端から流し読みをして「思考の筋肉」を鍛えよ」「本当に大事な情報は、頭の片隅でつねにスタンバイしてくれる(取っかかりのキーワード)」「考える、調べる、試す」「氾濫する視覚は、金儲けをしたい者の利権を守る仕組みに過ぎない」「正しい情報を手に入れて、病気を予防すれば、長生きすることもできる」「情報の判断基準は自分が「熱狂」できるかどうかで決める」「ビジネスで成功できるかどうかは「情熱」にかかっている」「目指すべきは、レアな人材になること」「人は期待感がいや増す「ストーリー」に寄ってくる(ストーリーを載せる)」「プレゼンスキルを磨くよりも、面白いネタを持つ面白い人間になれ」「唯一無二の面白さがあると思われた瞬間、ノリでお金が集まってくる」「「財布をいかに開かせるか」から「時間をいかに使わせるか」の時代へ」「好きなことを好きなだけ、夢中になって遊び尽くせ!」「お金はどんどん使って回していき、自分の「経験」に変えていく」「ほしいモノは、ほしいときにすぐに買う」「好きなことだけをすればいい。僕はすでにそういう世界で生きている」など。

 

なかなか、ホリエモンらしい、歯切れがいいよね。シンプルでわかりやすい。やっぱり人生は「遊び」だね。オススメです。(・∀・)

 

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「メーター検針員テゲテゲ日記」(川島徹)

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いや〜このシリーズオモシロすぎるなあっ!!!自分が体験することはできないので、こういう体験記でさまざまなタイヘンな職業を追体験できるっ!!!これは経験者でしか語れない、書けないっ!(・∀・)
 
「あと数年でなくなる仕事」それでも現場の苦労や汗はなくならない。検針員がえぐりだす、労働と人生のリアル――これが生きること、働くこと――大反響を呼んだ交通誘導員ヨレヨレ日記』シリーズ第3弾」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
電気メーターの検針は簡単である。電気メーターを探し、その指示数をハンディに入力し、「お知らせ票」を印刷し、お客さまの郵便受けに投函する。一件40円。件数次第で、お昼すぎに終わることもあれば、夕方までかかることもある。仕事は簡単なので、計器番号などの小さな数字を読みとれる視力があり、体力があれば、だれにでもできる。
 
しかし、雨の日も、台風の日も、雪の日も、そして暑い日も、寒い日もある。放し飼いの犬もいれば、いらいらした若い男も、ヒステリックな奥さんもいる。私は50歳からの10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのがこの本である。あと数年で電気メーターの検針の仕事はなくなってしまう。スマートメーターという新しい電気メーターの導入で、検針は無線化され、電機の使用量は30分置きに電力会社に送信されるからだ。なんらかの都合でスマートメーターを設置できないところを担当する検針員がわずかに残るだけである。
 
・今後、検針員が仕事中に犬に咬まれることも、ハチに刺されることも、家の人に怒られることも、高いところから転落することもなくなる。しかしメーター検針員という仕事がなくなっても、本書で書いた現場では働く人の苦労はなくならないだろう。低賃金で過酷で、法律すら守ってくれない仕事がどこにでも存在しつづけ、そこで働く人たちも存在しつづける。ただ、そうした仕事をしている人たちも自分の生活を築きながら、社会の役に立ち、そして生きていることを楽しみたいと思っているのである。
 
・九州から北海道、日本全国に何万人の検針員がいるのだろうか。電機メーカーだけではない、ガス、水道の検針員もいる。ふと日本全国の検針員に思いをはせてしまう。
 
その他、「激怒した若い男:引っ越し中の検針作業」「七つ道具:職務質問間違いなしの代物たち」「稼げる地区、稼げない地区:だれだってラクに稼ぎたい」「検針員の喜びと楽しみ:優美受けのおもちゃのヘビ」「休日、苦情の電話:「お知らせ票」を入れたのは誰?」「連帯責任:ハンディ盗難事件の後始末」「ふたつの死:東郷さんと高木さん」「クビ宣告:定年まであと5年を残して…」など。
 
過去存在した仕事で、いまはもう無くなってしまった仕事ってあるよね。幇間太鼓持ち)、羅宇屋、蒸気機関車のかま焚き、活動弁士活弁士)、電話交換手、書生などなど。そのうちに貴重な本になるかも。オススメです。(・∀・)

 

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「10秒でズバッと伝わる話し方」(桐生稔)

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新潟県十日町出身の桐生稔さん、地元の本屋さんでは桐生さんの本が平積みされているんだって。すごーい!大活躍だねー!刺激を受けるなー!♪
 
「徹底的に会話の無駄を省くメソッドで会話はガラリと変わる!日常会話の90%は無駄だった!言いたいことを的確に、シンプルに伝えるメソッド「ノイズカットトレーニング」で、できるビジネスマンの伝わる話し方がマスターできる一冊!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
伝わる話し方は、能力じゃない、スキルだ!報告が苦手な方、説明が下手な方、話が長くなる方に、言いたいことを10秒でズバッと伝える、伝わる話し方を体得していただく本です。
 
・できるビジネスマンは、例外なく『話が短い』ということ。
 
「この意見は多少波風が立つかもしれないけど、絶対相手のためになる」
「この主張は少し反論を呼ぶかもしれないけど、絶対チームのためになる」そういった相手を軸にした自立。これができるビジネスマンの姿だと思っています。
 
できるビジネスマンは常にメッセージがシンプルで、話が短く、無駄がない。言いたいことが明確でわかりやすい。しかしもう一つ重要な共通点を発見しました。それは……要約力」!多くの情報から、大切な部分を短くまとめて表す力。多くの情報から一瞬でポイントを特定する力。
 
・できるビジネスマンは、例外なく「多読家」です。常に多くの情報を取り入れています。
 
「ポケットに1000曲」iPodアップルが電話を再発明する」iPhone世界で最も薄いノートパソコン」MacBook Air)など。アップルの成功は『シンプルさ』です。
 
何でもできる人は何もできない人。いろいろできる人よりも、自分にしかできない強みを持っている人の方が重宝されるようになりました。「ココ」という一点を見つけ、そこに力を集中すれば、あとはドミノ倒しのように目覚ましい成果がもたらされます。
 
「この情報を自分の仕事に当てはめると何が言えるのか?」
「この事例を自分の仕事に活かすにはどうしたら良いか?」
「この出来事を自社と関連づけるとどうなる?」
多くのデータから『つまり』『だから』『何が大切?』と、くり返し自分の仕事に役立つ情報、イデアを常に取得しているのです。
 
『どういう内容?何が問題?メリット、デメリットは?』など、多方面から調べます。情報を入手した中で、ポイントを特定し自分ならこう思う」という結論を導きます。できるビジネスマンは、日々、多くの情報を仕入れてポイントを特定し自分の意見を表現する「要約力」を日常生活の中で磨いているのです。
 
・無駄な情報をカットすると、答えが浮かび上がってきます。ま〜、え〜、あの〜、その〜、この〜」「ま・え・あ・そ・こ」と名付けました。無駄な癖なのでカットしなければいけません。『間』に変えることです。話の『間』。「ま〜、え〜、あの〜、その〜、この〜」のゴミたかがゴミ。されどゴミです。自分はどんな言葉のゴミを発しているか?そして隣りの人はどんなゴミを発しているか?耳を研ぎ澄ますところから始めてみてください。
 
『ズバリ発想法』で、無駄なワードをカットすることで、自分が一番伝えたいことは『ズバリ◯◯!』と抽出してみてください。「あなたの強みは『ズバリ』何ですか?
 
・スクールでは、句読点がないトークのことを蛇のしっぽトークと呼んでいます。
 
「これ」「それ」「あれ」「どれ」という抽象的な表現を避けること。
 
・無駄な説明を省くには、映像を見せるのが一番早いわけです。
 
無駄な説明をカットする。1 長い文章より1枚の絵を見せた方が断然早い。2 無駄な説明は例え話でカットすること。3 例え話は連想から生まれる。
 
『BOX法』=話が右往左往するよりも、箱単位で話した方が、話が整理されているので、断然相手に伝わります。
 
・「伝わる」とは何か?それは「相手のアクション」です。
 
・コミュニケーションとはいったい何なのか?当スクールではコミュニケーションとは、互いを分かち合うこと」と定義しています。
 
ジャパネットたかた高田明氏。「いきなりいまのテレビショッピングの形ができたのではない。毎日困難に一生懸命立ち向かってきた結果として、いまでき上がっただけ」
 
・人が至福の時を迎える瞬間は「誰かに必要とされるとき」なのかもしれません。あなたが、伝わる話か方を身につけ、言葉に想いを込め、それを伝えることで誰かを幸せにすることができたとしたら、それは大変意義があることだと思います。一人でも多くの方が誰かを幸せにすることで自分を幸せにする』素敵な人生を送れることを願っています。
 
・この国に住む人々のコミュニケーション力が10%でも増せばどれだけ豊かさを感じられるだろうか。

 

さすが!非常に細かく、わかりやすくまとまっているねー!すぐ使えるねー!営業マンにオススメです。(・∀・)

 

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「メルヘン誕生 向田邦子をさがして」(高島俊男)

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ときどき、無性に吉野家の牛丼が食べたくなるように、懐かしいフォークソングが聞きたくなるように、向田邦子の文章が読みたくなる。(・∀・)
 
 
「メルヘンの語り部はひそかに血を流していた…「古きよき家族」という昭和のメルヘンになった『父の詫び状』。成功を収めた天才作家の光と影を描く、全く新しい向田邦子論」」。そのエッセンスを紹介しよう。
 
向田邦子の文章は男の文章である。一つ一つのセンテンスがみじかく、歯ぎれがよい。言い切ってしまって余情をのこさない。余韻たっぷり、とか情緒纏綿、というところがない。そうした調子を、意識して排除している。男の文章と呼ぶゆえんである。
 
わざと古いことばを使うこともよくある。たとえば「辞典」と言わずに「字引き」と言う。「電灯」と言わずに「電気」と言う。むかしは電気器具といえば電灯しかなかったから、電気」と言えば電灯のことだったのである。市電が都電になってもう五年もたっているのだが、頑固に「市電」と言っている。
 
向田邦子は古い女で、その「分」の観念がしみついており、無意識のうちに文章のなかに「のくせに」が出てきてしまう、というのではない。意識的に「のくせに」と言っているのである。つまりこれは一種の挑戦であり、主張である。
 
・最もめざましいのは「ゆく」である。向田邦子は「いく」をきらい、断固として「ゆく」を使った。
 
向田邦子は、ことばの感覚のするどい人であった。また、文章のじょうずな人であった。つみかさねてゆく一つ一つのセンテンスに変化があり、その変化がこころよい階調をなす。これは天性のものであろう。戦後の、新かたづかいで文章を書いた人のなかでは、一番うまいと言ってさしつかえないのではないか、と思う。しかしまた一面、かなり投げやりな、粗雑なところもある。これは一つには、期限のさだめのあるものを、ゆとりを持って書きはじめず、ギリギリになって着手するために推敲のいとまがなかったことによるのだろう。おそらく向田邦子は、文章を寝かせたことがなかったであろう。
 
向田邦子は男が好きであった。男を尊敬していた。その男には、性よりもっとだいじなーすくなくとも性のことよりもはるかに多くの時間をそのことにむけ、頭をつかい、魂をかたむけていることがある。事業とか、学問とか。理想とか、社会主義とか。
 
・単行本『父の詫び状』によって、昭和十年代のサラリーマン家庭が、メルヘンになった。邦子はちょっとおしゃまなかしこい姉娘。かわいい弟や妹たち。頑固一徹のたのもしいお父さん。それにひかえめだがしっかり者のお母さんと、陰影のある祖母。なつかしい昭和十年代の生活。ーこれが、こわすことのできないメルヘンのわくぐみである。
 
・客観的に見れば、向田邦子はまちがいなく成功した人だった。しかし当人は、毎日、敗北者だった。そして最後は、敗北者らしく、りっぱに玉砕した。
 
「「初老」の頻出」「三島ぎらい」「なつかしの昭和十年代」「徴兵保険と徴兵保険会社」「潰れた鶴」「精巧なおもちゃ」「お嬢さんの視界」「しばられないよころび」など。

 

これは鋭いなあ……死後何十年もたって文学論が出版されるなんて!珍しいよね。向田邦子ファン、必読です。オススメです。(・∀・)

 

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